学生対象の「SECCON」と社会人対象の「CTFチャレンジジャパン」が1つになり、所属や年齢を問わずに参加できる大会となった。主催する日本ネットワークセキュリティ協会は、「日本最大のハッカー大会を目指す」としている。
NPO法人の日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は6月7日、広範なITセキュリティの技術や知識を競う大会「SECCON 2013」を8月から2014年3月まで実施すると発表した。昨年度は22歳以下もしくは学生が参加資格となっていたが、今回から経済産業省による社会人と23歳以上の学生が対象の「CTFチャレンジジャパン」と統合され、年齢や所属を問わず参加できる大会になる。
SECCONは、国や自治体、企業、組織を含めた日本の情報セキュリティ技術者人材の育成を目的に実施する競技イベント。4人1組のチームに分かれて、主催者の用意する課題をクリアしながら、得点を競い合う。参加者はハッキング攻撃を仕掛けるだけでなく、ハッキング攻撃からシステムを防衛することも求められ、攻撃と防御の2つの立場で得点を稼がなければならない。
出題ジャンルは、ファイル解析やOS、暗号、フォレンジック、ネットワーク、Web、プログラミング、トリビアなど。コンピュータやネットワークに関するハッキングやセキュリティ対策の技術だけでなく、社会常識なども駆使することが要求されるという。
今回の大会は、8月22〜23日に神奈川県のパシフィコ横浜で行われる関東大会からスタートし、オンラインを含む全国10カ所程度で地方予選が展開される。地方予選を勝ち抜いたチームは、2014年3月1〜2日に東京電機大学で開催される全国大会に出場できる。各予選の定員は40人(10チーム)で参加費は無料。昨年度はSECCONとCTFチャレンジを合わせて84チーム・326人が参戦した。
同日の記者会見でJNSA会長の田中英彦氏は、「サイバーセキュリティが社会の大きな関心事となりながらも、セキュリティ人材は世界的に不足し、特に日本は深刻な状況だ。若い人にとってチャレンジのしがいがある、ベテランには腕の試しがいのある競技会とすることで、わが国のセキュリティを担う人材を育てたい」と表明した。
大会の実行委員長を務めるサイボウズ・ラボの竹迫良範氏は、「米国ではFacebookがプレイステーション3をハッキングした人物をセキュリティ技術者として雇用してしまうほど、セキュリティに対すると企業の取り組みは積極的だ。SECCON経験者の中には、セキュリティ会社のエンジニアや企業のIT部門のセキュリティ担当者として活躍する人材がたくさんおり、大会を通じて、さらに多くに優秀な人材を輩出させたい」と述べた。
昨年のSECCON全国大会で2位となった東京電機大学の三村聡志さん(チーム名:wasamusume)は、「今年も参加して上位を狙い、個人としてもさらに力を付けて成長していきたい」とコメント。同じく昨年のCTFチャレンジジャパンに参加したラックの東結香(同:チーム☆ゆかひぃ)さんは、「先輩社員の卓越した技術を目の当たりにしながら、セキュリティの考え方を学び、日々の業務のモチベーションも高めることできた貴重な体験でした」と話した。
SECCON 2013には、政府の情報セキュリティ政策会議や総務省、経済産業省、文部科学省、警察庁、情報処理推進機構、情報通信研究機構、日本経済団体連合会、日本情報経済社会推進協会が後援。多数の民間企業もスポンサーに名乗りを上げ、ITやセキュリティの技術、経済、教育に関わる官民を挙げたセキュリティ人材育成の支援体制が構築されている。
日程 | 開催地域 | 会場 |
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8月22日〜23日 | 関東(横浜) | パシフィコ横浜(CEDEC CHALLENGE) |
10月5日〜6日 | 甲信越(長野) | 信州大学工学部 |
10月5日〜6日 | 九州(福岡) | 九州工業大学情報工学部 |
10月20日 | 四国(香川) | 香川大学総合情報センター |
11月9日〜10日 | 東北(福島) | 福島県内 |
11月30日〜12月1日 | 北海道(札幌) | 札幌市内 |
11月30日〜12月1日 | 北陸(富山) | インテックビル「タワー111」 |
12月14日〜15日 | 東海(名古屋) | ウインクあいち |
12月14日〜15日 | 関西(大阪) | マイドームおおさか |
2014年1月25日〜26日 | オンライン予選会 | 情報セキュリティ大学院大学 |
2014年3月1日〜2日 | 全国大会(東京) | 東京電機大学 |
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