Google、地図・道路情報のWaze買収を発表 独立子会社として運営

GoogleはWazeのクラウドソーシング交通情報機能をGoogle Mapsに取り込み、WazeアプリにGoogle検索機能を提供する。

» 2013年06月12日 07時18分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは6月11日(現地時間)、地図サービスを手掛けるイスラエルの新興企業Wazeを買収したと発表した。WazeはGoogle傘下の独立子会社として存続し、開発チームはイスラエルに留まる。買収総額などの詳細は公表されていないが、米AllThingsDによると、買収総額は10億ドル以上。

 Wazeは、2008年創業のイスラエルの非公開企業。AndroidおよびiOS向けの無料のカーナビアプリを提供している。クラウドソーシングでリアルタイムの交通関連情報を提供するのが特徴で、約5000万人の会員が情報を共有している。

 waze Android版アプリ。日本語にも対応する

 経営拠点はカリフォルニア州パロアルトにあるが、開発拠点はイスラエルのラーナナにある。買収後もWazeのアプリの提供は継続し、開発チームはラーナナに留まる。

 Googleはイスラエルオフィスで、「正確で便利な包括的な地図サービスを構築するというわれわれの取り組み」でWazeのチームと協力していくとしている。Google MapsにWazeの交通情報機能を取り込み、WazeにはGoogleの検索機能を追加する計画。

 Wazeのノーム・バーディンCEOは公式ブログで、株式公開の可能性も検討してきたが、「株式公開企業になってもWazeのコミュニティーを楽しいものに保ち、働きたい会社にしておくことができるだろうか」と自問した結果、WazeのコミュニティーとともにあるためにGoogleへの参加を決めたと説明した。Googleは、WazeがGoogleとも共通する目標──知恵によって交通状態などを回避し、快適なドライブを提供する──の達成をサポートし、独立を保証したという。

 Wazeは、米Facebookと6カ月にわたって買収を交渉していたが、FacebookがWazeの開発チームに対し、カリフォルニアに移転するよう求めたことで話し合いは難航しているとイスラエルのメディアCalcalistが伝えていた。Facebookは公式モバイルアプリの地図機能を強化しており、地図サービスに参入するとみられている。

 米Appleは開発者会議のWWDCで10日、地図機能を強化した次期モバイルアプリ「iOS 7」を発表した。新機能「iOS in the Car」では、iOS端末を対応する車に接続することで、車のダッシュボードを通じたナビゲーションやハンズフリーの通話が可能になる。

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