「1年前に東京に行った時に初めてLINEのことを知り、パブリッシング機能とモバイルインタフェースを生かしたすごく面白いビジネスモデルだと感じた。そこで私は、自社のサービス開発責任者たちを集めて『日本のLINEから学ぼう。あれほどうまく機能しているサービスはない』と伝えた」(ベニオフ氏)
ベニオフ氏がいうLINEの「パブリッシング機能」とはおそらく、企業などがユーザー向けにスタンプを有料/無料で配信できる機能のことだ。「LINEはコンシューマー向けにモジュールを提供しているが、私はそういう形でISVを引き入れたかった」とベニオフ氏は話す。
確かに、さまざまなISVが共通のネイティブアプリ上で顧客企業向けにサービスを展開できるSalesforce 1は、企業がユーザー向けにスタンプを配信できるLINEの仕組みに似ているとも言える。
ベニオフ氏から「LINEを参考にしろ」と命じられたというsalesforce.comのクラレンス・ソー氏(戦略部門エグゼクティブ・バイスプレジデント)は、「マーク(・ベニオフ氏)に会議室に呼ばれてLINEをインストールさせられ、友だちになったとたんにハローキティのスタンプが送られてきた。それが私の初めてのLINE体験だった」と笑う。
ベニオフ氏はDreamforce 2013のオープニングセッションで、「われわれは常に顧客のことを考えている」という言葉を強調した。業務システムの変革を目指すsalesforce.comのCEOにとって、同社の顧客のことを考えた1つの結果が、LINEのようなモバイルプラットフォームを企業向けにも提供することなのかもしれない。
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