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「デザインはますます重要」「管理職の仕事は『チームの支援』」──Yahoo!マリッサ・メイヤーCEOが語るDreamforce 2013 Report(1/2 ページ)

» 2013年11月20日 17時30分 公開
[本宮学,ITmedia]

 米サンフランシスコで11月19日(現地時間)に開幕した「Dreamforce 2013」で、米Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOが初日の特別ゲストとして登場。salesforce.comのマーク・ベニオフCEOのインタビューに答える形で、Yahoo!の経営で心がけていることや日常の思いなどを語った。


photo ベニオフ氏の質問に答えるYahoo!のマリッサ・メイヤーCEO

ベニオフ あなたは私が連絡をとろうとするたびにインドにいたり、いつも社員とともに世界中を飛び回っている。その目的は?

メイヤー 一番の理由はグローバルの状況を見たいからです。例えば、イスラエルにはどのような市場があり、日本や中国ではモバイル端末がどのように使われているか――といったことを知りたいんです。

 私は前職(Google副社長)でプロダクトマネジメントを担当していましたが、世界に向けたサービスを作るのは簡単なことではありません。それを成功させるためには、世界を飛び回ってユーザーや広告主などに実際に会う必要があるのです。

ベニオフ Google時代は、サービスに対する優れた考え方で会社を成功に導いた。その秘けつは?

メイヤー いつも心がけているのはユーザー視点でデザインを考えることです。自分だったらどんな仕様がストレスになるかを考え、そうならないように気をつけてサービスを作ってきました。例えば、サービス内で待ち時間が長いことは誰にとっても苦痛ですよね。

 また、もう1つ注意しているのは“エキスパートユーザー”を大切にする点です。これはつまり、数時間や数日程度でユーザーが使いこなせる(エキスパートになれる)ようなシンプルなユーザーインタフェース(UI)を作るということです。中には複雑な使い方をする人もいても、なるべく多くの人々がなじめるようなサービス作りを目指しています。

 その1つの好例はXeroxの複合機です。自動でホチキスを止める機能などを備えていても、中心機能である「コピー」は大きな緑のボタンを押せばすぐにできます。このように誰でも直感的に分かるUIこそが優れたデザインと言えるでしょう。

ベニオフ しかし、そうしたシンプルなデザインを生み出せる人は少ないように感じる。

メイヤー そうでしょうか。デザインは単にビジュアルをきれいにすればいいだけではありません。今後、企業にとってデザインはますます重要になると思います。

 Yahoo!も今、全てのサービスのデザインを見直している最中で、これから新たにデザインの専門家を雇う計画もあります。私もデザインは大好きですが、本業でない以上は多くの時間を費やすことはできません。私自身は今後、サービスではなく組織のマネジメントや戦略を通じ、ユーザーにとってのYahoo!という存在そのものをデザインしていきたいと思っています。

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