富士通研究所は、事前にキーワード登録をすること無く暗号化された状態の文字列データを検索できる技術を開発した。機密性の高い情報を保護しながら検索できるようになるという。
富士通研究所は1月15日、暗号化された文字列データを暗号化したまま検索することができる秘匿検索技術を開発したと発表した。従来技術では検索キーワードを事前に登録する必要があったが、新技術では不要となり、機密性の高い情報を保護したまま検索処理を高速化できるとしている。
新技術は、暗号化したまま統計処理などの演算が行える「準同型暗号」という技術をベースに一回の処理で複数の暗号演算を同時に行えるように改良、文字列全体に含まれる検索キーワードの一致判定を一括して行えるようにした。準同型暗号は検索キーワードの登録が不要なため、新技術では検索開始から結果出力まで秘匿したまま処理でき、約1万6000文字の秘匿検索を1秒程度で実行するという。
従来技術は事前に検索キーワードを登録する必要があり、検索に手間がかかるほか、検索結果が暗号化されないために検索サーバに情報が漏れたり、処理に時間がかかったりするなど実用化する上での課題があった。
富士通研究所では新技術を活用することで、例えば、DNAや生化学、医療、教育といったプライバシー性の高い情報を暗号で保護しながら検索できるようになると説明、2015年の実用化を目標に実証実験などを進めていくとしている。
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