Windows To Goを設定するソフトウェアは、Windows 8/8.1 Enterprise版でのみ提供されている。コントロールパネルですべてのプログラムを表示すれば、「Windows To Go」というプログラムが見つかる。このプログラムを使って、Windows OSのイメージをUSBメモリにコピーする。
ちなみに、Windows To Goを使用する場合は、マスターとなるWindows OSのイメージファイルが必要だ。通常は、Windows 8.1のDVDメディア(ISOファイル)に入っているWindows 8.1のイメージ(\source\install.wim)を使用する。企業によっては、各種ドライバや設定などを行った企業独自のOSイメージを使う場合もある(企業独自のOSイメージは、Microsoftが提供しているOSイメージ管理用の専用ツールで作成する)。
今回はWindows 8.1 EnterpriseのDVDイメージを利用して、USBメモリにインストールした。インストール自体は非常に簡単だ。セキュリティ面からBitLockerも利用すべきだろう。やはり、BitLockerによって暗号化されていなければ、誰でもWindows To Goからユーザーの環境を起動できてしまう。
一方、Windows To Goをインストールしてみて気になったのは、日本語キーボードを英語キーボードとして誤認識した点だ。調べてみると、頻繁に起きる現象らしい。これを修正するには、デバイスドライバからキーボードを日本語キーボードに変更するか、レジストリを修正する必要がある。
実際に、IronKey Workspace W300でWindows To Goを使ってみると、十分に使える性能を持っている。このあたりは、ストレージとしての性能の高さとUSB 3.0を利用しているからだろう。さすがに、内蔵のSATA 2.0(6Gbps)のSSDと比べると性能的には下がるが、普通に利用する上では問題なく使える。
いろいろなアプリケーションをインストールしていけば、IronKey Workspace W300の容量も必要になる。IronKey Workspace W300は、32/64/128Gバイトの3種類が用意されている。もし、様々なアプリケーションをインストールするなら、128Gバイトのモデルを使うといいだろう。
Windows To GoのUSBメモリからOSを起動すると、PCに内蔵されているシステムドライブは切り離されるが、データドライブなどの別ドライブは、Windows To Goのシステムからも認識される。内蔵ディスクにデータを保存するとセキュリティ面ではやや心配だが、Windows To Goとは別のUSBメモリにデータを保存すれば、作業もしやすいだろう。また、Windows 8.1ならクラウドのファイルストレージのSkyDrive(「OneDrive」に改称予定)が利用できるため、SkyDriveにデータを保存すれば、ローカルのPCにはデータを一切残さないで済む。
Windows To Goをうまく使えば、企業において問題になるBYOD(Bring By Own Device:私物PCなどの業務利用)においても、高いセキュリティを保つことができるだろう。
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