女性が注意すべき身近なセキュリティ――情報とお金を守るためには萩原栄幸の情報セキュリティ相談室(1/2 ページ)

女性にご注意いただきたい「セキュリティのチェック事項」を2回に分けてご紹介しよう。今回は前編として「情報」や「お金」がテーマだ。男性でも対策で参考にできるところは、ぜひ活用していただきたい。

» 2014年04月25日 08時00分 公開
[萩原栄幸,ITmedia]

スマホを貸したら……

 最も危険な行為は、自分のPCやスマートフォン、タブレットなどを「人に貸す」ことです。後輩から頼まれて1日だけノートPCを貸したら、削除したはずの「彼との写真」や「日記帳」が勝手に復元、印刷され、金銭を要求された――5年ほど前、実際に筆者が相談に対応した事実でした。

 「消したはずなのに……」。そう、実は削除したり初期化したりしても、データは消えません。それはデジカメのSDカードもUSBメモリといったほとんどものに当てはまります。

 「スマホを忘れたからちょっとだけ貸して!」。そう言われて貸してしまうと、相手は不適切な画像を勝手にTwitterへ投稿して、世界中にばらまくかもしれません。席を立ったわずかな間に彼氏が女性のスマホに監視アプリを入れ、別れてからも監視され続けた事件も起きています(元カレは逮捕されましたが)。デジタル情報はとても危険です。思っている以上に残酷な面を見せつけるものです。

LINEなどのやり取りから……

 社会人になったなら、その自覚を持って「なにが危険なのか」「どう対応すべきか」を認識しておくべきです。特にSNSよりもメール、メールよりも電話、電話よりも会話です。例えば、仕事を完遂するには「上司に報告した」という証拠を残します。毎日顔を会わしているのに会話をしないのは、相手に「人間として欠陥を持った」という認識を持たれてしまいます。

 特に画像は要注意です。写っている背景や、匿名のSNS(Twitterなど)と実名のSNS(Facebookなど)を混在して使っていると、簡単に本人特定がされてしまいます。そういう危険性をご存じではない女性が少なくありません。

 彼氏に言われたままエッチな画像を撮らせている女性もいます。別れてからその写真で脅迫される恐れもあります。まさしく「リベンジポルノ」によって、職場から解雇されたり、友人関係がズタズタになったりと、まさに「100倍返し」の状況に追い込まれます。

 警察に訴える勇気もなく、そのまま野放しにしている女性も多いようです。絶対に泣き寝入りすべきではありませんが、それ以前に将来の問題となりかねない軽率な行動していないか見直すべきです「セキュリティ」という1つの思考を日常生活に加えることで、未然にトラブルを回避できるようになるでしょう。

ネットバンキングや通販の活用で……

 「セキュリティソフトは効果なし」なんていう無責任な記事が一部にみられます。それを真に受けて対策を軽視すれば、簡単に被害に遭います。例えば使い回しているパスワードが盗まれて不正利用され(「リスト攻撃」というサイバー攻撃が起きています)、プライバシーが第三者に筒抜けになるでしょう。

 残念なことに、対策を軽んじて実際に被害に遭っていることを知らない(気付いていない)人がいます。恐らく知っていれば大騒ぎになるので、一生知らないままかもしれません。

 ネットの世界で怖いのは、こうした人が「被害者であると同時に加害者になる」という事実です。ウイルスやボット(遠隔操作型の不正プログラムなど)に感染すると、例えばその人のコンピュータから毎日何十万通ものスパムメールが送信されてしまいます。そして、本人はそのことに気が付いていません。こうした“無知”にならないようにしましょう。せめて、ウイルス対策ソフトは必ず導入してください。パスワードもしっかりと管理すべきです。

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