情シスと社員が答えたスマホ活用とセキュリティの懸念(1/3 ページ)

日本スマートフォンセキュリティ協会が実施した企業での利用実態調査から、スマートフォンの利活用が進んでいる状況とセキュリティへの懸念が高まっている様子が浮き彫りになった。

» 2014年08月13日 08時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)は8月12日、2014年1月に実施した一般企業でのスマートフォン(タブレットを含む)の利用実態に関する調査結果を発表した。本稿では情報システム管理者と従業員それぞれの回答傾向をまとめてみた。

スマホの利用実態

 まず情報システム管理者に尋ねたスマートフォンの導入状況は、60.0%が「導入済み」、17.1%が「検討中」とし、約4分の3以上の企業がスマートフォンの利用意向を持っていることが分かった。端末配布の状況は「全社員の30%未満」が38.1%で最も多いが、「全社員の50%以上」とする回答も3分の1以上あった。

 一方、所属する企業では導入済みとした従業員の業務での利用状況は、「利用している」が58.2%、「利用していない」が40.9%となっている。

 情報システム管理者に尋ねたスマートフォンの導入目的では「業務生産性の向上(70.0%)」「社外での業務や在宅勤務の促進(40.0%)」「移動時間などの有効利用(40.0%)」「通信コストの削減(31.7%)」が目立つ。

 これに対して実際の導入効果は、情報システム管理者、従業員とも「業務生産性向上」「移動時間などの有効利用」「社外での業務や在宅勤務の促進」が上位に挙がった。だた、「業務生産性向上」に関しては情報システム管理者の70.0%が導入目的で挙げたのに対し、導入効果に対する従業員の実感はやや低い結果となった。

スマートフォンの導入効果(JSSEC資料を基に作成)
項目 情報システム管理者(N=42) 従業員(N=128)
業務生産性の向上 64.3% 46.9%
社外での業務や在宅勤務の促進 28.6% 34.4%
印刷物の削減 14.3% 25.0%
顧客などへの提案や説明の向上 項目なし 23.4%
在庫の確認・発注の効率向上 16.7% 14.8%
移動時間などの有効利用 42.9% 45.3%
社員同士のコミュニケーションの円滑化 31.0% 31.3%
通信コスト削減 23.8% 18.8%
災害時の安否確認や事業継続性の強化 9.5% 10.2%
端末の管理コスト削減 11.9% 項目なし
その他 3.1% 項目なし
該当なし/分からない 7.1% 13.3%

 次にスマートフォンで業務利用しているクラウドサービスは、情報システム管理者、従業員ともに「ファイル共有」「日報管理」「勤怠管理」がトップ3を占めた。「利用していない」という回答は情報システム管理者で33.3%、従業員で38.3%あった。

利用しているクラウドサービス(同)
種類 情報システム管理者(N=42) 従業員(N=128)
ファイル共有 52.4% 53.9%
勤怠管理 31.0% 22.7%
日報管理 33.3% 24.2%
CRM系ツール 16.7% 14.8%
セキュリティツール 16.7% 16.4%
経費精算 9.5% 16.4%
稟議決裁 9.5% 6.3%
その他 2.4% 3.1%
利用していない 33.3% 38.3%
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