次にPaaSだ。Oracle Cloudの基盤となるのがデータベース製品「Oracle Database(Oracle DB)」であり、その上にアプリケーションサーバ「Oracle WebLogic Server」、さらに上位にはソーシャルメディア、モバイル、アナリティクスなどの機能がある。最新版のOracle DBである「12c」はマルチテナント型であるため、Oracle Cloudではすべてのアプリケーションのモバイル化やソーシャルメディア対応が可能になるという。加えて、Oracle DB上のあらゆるアプリケーションはプログラムコードを1行も書き換えることなく、ボタンを押すだけでオンプレミスからクラウドに移行できるとする。
さらにエリソン氏が主張するのが、コストとスピード、セキュリティである。
「単にアプリケーションを移行して終わりではない。そこからクラウドによって“近代化”される。容量を10分の1に圧縮することでコスト削減や実行スピードのアップ、データの暗号化を実現するのだ」(エリソン氏)
実際、SalesforceやSAP、米NetSuiteなどが提供するエンタープライズ向けSaaSのほとんどがOracle DBを基盤としていることが、利用メリットの何よりの証明だという。
最後のIaaSに関しては、可用性、安全性、信頼性などに対してエンタープライズクラスのサービスレベルを担保するのはもちろんのこと、「Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft、Googleと同等の料金設定にするといった積極的な価格戦略」(エリソン氏)も不可欠だとしてる。
そのほか、講演の最後には、ソフトウェアとハードウェアを統合したエンジニアド・システムについて、新製品となるリカバリアプライアンス「Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance」や、高速データ分析製品の最新版「Exalytics with Oracle Database In-Memory」などが矢継ぎ早に発表された。これらの詳細についてはカンファレンス2日目以降で紹介される予定だ。
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