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» 2014年10月07日 12時00分 公開

IBM Enterprise 2014 Report:どっこい、メインフレームやPowerこそが企業の競争優位の基盤に (2/3)

[浅井英二,ITmedia]

 こうしたモバイルやソーシャルのテクノロジーを上手く活用できれば、顧客との関係はより良いものにできるが、既存のシステムとばらばらでは、ほぼリアルタイムの素早い対応は難しい。求められるのは、これまでの情報システムが取引の記録を主としてきた「Systems of Record」と、顧客とのより良い関係を構築する「Systems of Engagement」の融合だ。

 IBMは、1960年代半ばのSystem/360以来、従来型のSystems of Recordで圧倒的な強みを発揮してきたが、その卓越した拡張性と信頼性によって新しいタイプのSystems of Engagementも大きな1台のコンピュータに統合すれば、企業にとって価値ある大量のデータをほかにコピーすることなくリアルタイムで分析し、迅速にビジネスに生かせる「Systems of Insight」も併せて実現できるという。

 ロザミリア氏は、こうした3つのシステムの融合にこそ、企業イノベーションの機会があると話す。

リアルタイム分析やモバイル機能を盛り込むメインフレーム

 20億人のユーザーと3600万の加盟店を抱えるクレジットカード最大手のVISAは、増え続ける信用照会に対してIBMのメインフレーム、System zの拡張で十分な対策を講じてきているが、それでも特に処理量が増えるクリスマス商戦に備え、毎年、テストを実施しているという。今年は、何と毎秒5万6000件の処理をこなせるまで能力を引き上げることに成功、さらにクレジットカードの不正利用もわずか2秒というほぼリアルタイムで検知できるという。

 南アフリカのFirst National Bankもまた、System zでモバイルバンキングサービスを提供している事例としてよく知られている。支店はもちろん、ATMも十分にないアフリカでは、携帯電話が顧客との接点として活用され始めている。そのトランザクションは、月間で2億3400万件に上るという。

 古臭くてコスト高のイメージがつきまとうメインフレームだが、今も企業のアプリケーションの55%はメインフレームによるトランザクション処理を必要としており、データも80%はメインフレームに格納されているという。世界の商取引はメインフレームに依存しており、その究極の信頼性とセキュリティがわれわれの生活を支えていると言っていい。

 IBMはこの日、Hadoopをベースとしたデータ分析ソフトウェアである「IBM InfoSphere BigInsights for Linux on System z」やOpenStackベースの「IBM Cloud Manager with OpenStack for System z」を新たに発表したほか、System zとデータウェアハウスアプライアンスであるPureData System for Analyticsを連携させるための「IBM DB2 Analytics Accelerator」を機能強化し、クラウド、ビッグデータ、そしてエンゲージメントに最適なITインフラとしてSystem zを売り込む。4月のHadoop for Linux on System zやIBM System z Solution for Mobile Computingの発表に次ぐもので、今後も最先端の技術が盛り込まれていくという。

オープンなイノベーションでx86に戦いを挑むPOWER8

 IBMが最先端の技術を盛り込み、顧客とともにその変革に磨きを掛けていくのがSystem zだとすれば、Power Systemsはオープンなコミュニティーによるイノベーションでポートフォリオを拡充し、x86サーバに対抗する有力な選択肢へと生まれ変わろうとしている。

 4月にデビューしたPOWER8プロセッサは、最大12コアを搭載でき、コアごとに最大8スレッドを同時に実行する。動作クロック数こそ4GHzを超えたところで頭打ちとなっているものの、プロセッサ当たりの最大スレッド数を96まで拡張し、さらにメモリとI/Oの帯域幅をPOWER7から数倍引き上げており、まさにクラウドやビッグデータアナリティクスのためにデザインされたプロセッサだ。

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