大きく変わるOffice サブスクリプション化とは何か?Enterprise IT Kaleidoscope(2/3 ページ)

» 2014年11月19日 06時00分 公開
[山本雅史,ITmedia]

クラウドサービスこそがOffice 365のテーマ

 前項でOffice 365 ProPlus/Business、Office 365 Soloは、パッケージ版のOfficeをサブスクリプションモデルにした製品と述べた。企業にとってOffice 365を利用するメリットは、Exchange Online、SharePoint Online、Lync Onlineなどをクラウドで利用できることだろう。

 Exchange OnlineやSharePoint Online、Lync Onlineは、Exchange Server、SharePoint Server、Lync Serverなどをマイクロソフトが運用しているクラウドで利用できるようにしたものだ。今までサーバやOS、アプリケーションを購入して運用していたサービスが月間の利用料金で利用できるようになる。企業にとってはハードウェアやソフトウェアにかかる初期投資がなく、運用もマイクロソフトが行うため、運用コストも安く抑えられる。

 Office 365には、300人までの中小企業を対象にしたOffice 365 Business/Business Essentials/Business Premiumと、様々な規模の企業に向けたOffice 365 Enterpriseがある。Office 365 Business/Business Essentials/Business Premiumは、中小企業に向けたOffice 365のパックプランに当たる。

 Office 365 Enterpriseには、「K」「E1」「E3」「E4」という4つのプランがある。Kは、Webブラウザを使ってメール(Exchange Online)、SharePoint Onlineにアクセスできる簡易プラン(キオスク)だ。E1は、PCにOfficeをインストールするOffice ProPlusの機能は提供されていないが、WebブラウザでOfficeの機能を利用できるOffice Onlineが提供される。ある意味、KやE1は限定された機能しか用意されていないため、企業ではアルバイトや限定された作業を行う契約社員などに割り当てられるプランといえる。

Office 365のプラン。価格は2014年現在のもの。2015年になると30%ほどの値上げが予定されている(同)

 企業が本格的にOffice 365を利用する場合は、E3やE4などのプランになるだろう。E3、E4の違いは、E4がエンタープライズVoIPを利用できるが、E3では不可という差だ。

Office 365の各プランにおけるアプリケーションの利用権の違い。Office Business Essentialsは、価格は安いが、OfficeアプリケーションをPCにインストールできない(同)

 企業がOffice 365 Business/Business Essentials/Business Premium、Enterpriseを利用する動機となるのは、Office ProPlusのようなOfficeアプリケーションだけでなく、メールやスケジュールなどをサービスのExchange OnlineやSharePoint Onlineを使って会社全体やチームで情報共有できる点だろう。Officeアプリケーションで作成したドキュメントをクラウドのSharePoint Onlineにアップして共有することができる。

Office 365におけるサービスの違い。左はExchange Online、右はSharePoint Online(同)

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