2020年、国内ICT市場はどうなる?──野村総研が予測スマホ以外のコンテンツ配信市場は衰退期へ

野村総合研究所が、2020年までの国内ICT主要市場予測を公表。スマートデバイスとコンテンツ配信市場、ウエアラブルやM2M市場が成長する半面、多くの分野で成熟期を迎え、一部の既存市場は衰退していく。

» 2014年12月04日 20時35分 公開
[ITmedia]

 野村総合研究所は12月4日、国内を中心とするICT(情報通信技術)関連の主要5市場について、2020年度までの動向分析と規模の予測を行った。

 ICTとメディア産業市場は多くの分野で成熟期を迎える一方、スマートフォンやタブレットに代表される新世代ハードウェアの普及、それにともなうコンテンツ配信市場やソーシャルメディアの成長と一部既存市場の衰退、ウエアラブル端末やM2Mによる新たな市場の形成など、構造変化が起きているという。

 市場ごとのトピックは以下の通り。

デバイス市場

 各種の端末からスマートフォンへの集約が進む一方、インターネットショッピング用注文リモコンのような機能を特化させた専用デバイスが登場している。「入力デバイス」の多様化を超え、その先の新しい「出力デバイス」の時代へ移行する。次世代テレビ、ウエアラブル端末、3Dプリンタが大きく市場が成長するとみられる。

ネットワーク市場

 政府の政策などにより、市場構造が急激に変化しつつある。設備競争だけでなくサービスの競争が加熱し、異業種との市場共創が必須になる。移動通信分野では、低価格SIM/MVNOや公衆無線LAN市場が大きな成長をみせる。

プラットフォーム市場

 携帯端末のスマートフォンへの移行にともない、B2Cの電子商取引市場、携帯向けインターネット広告市場がさらに拡大する。また、2020年のオリンピック・パラリンピック東京開催に向けてスマートペイメントが浸透する。

コンテンツ配信市場

 スマートフォンへの一極集中が進み、スマートフォン以外のコンテンツ配信市場は成熟期から衰退期に向かう。生活者起点での「ユーザーエクスペリエンス(利用体験)」を中心とした戦略により、新たな市場を創出することが求められる。

ソリューション市場

 データセンターと法人ネットワーク市場は規模的に大きい。ただ、大きな成長は見込めない。一方で、情報セキュリティ関連市場は堅調に伸びる。また、M2M市場が急激に成長することにより、全体としては高い成長性を示すようになる。

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