アプリ開発者向けにも「モバイル第一、クラウド第一」ソリューション提供を進めるMicrosoftが、マルチプラットフォーム対応のクラッシュ解析ツールを手掛けるHockeyAppを買収し、Visual Studioの「Application Insights」に機能を統合する。
米Microsoftは12月11日(現地時間)、マルチプラットフォームのモバイルアプリクラッシュ解析ツールを手掛ける独HockeyAppを買収したと発表した。買収総額などの取引の詳細は公表されていない。
HockeyAppは2011年創業のシュツットガルトに拠点を置く非公開企業。iOS/Android/Windows Phoneアプリ開発者向けのクラッシュ解析ツールを提供している。
MicrosoftはHockeyAppの機能を、ソフトウェア開発用クラウドサービス「Visual Studio Online」の「Application Insights」に統合することで、同サービスのiOSおよびAndroidのサポートを強化するとしている。
Microsoftは向こう数カ月中にHockeyAppの機能をベースとするiOSおよびAndroid版の新しいApplication InsightsのSDKをリリースする計画。開発者部門担当副社長、ソーマ・ソマセガー氏は発表文で、この統合はMicrosoftの「モバイル第一、クラウド第一」戦略の一環であると語った。
HockeyAppは公式ブログで、Microsoftは同社立ち上げ段階からの顧客で、「開発者に最高の体験を提供するのはMicrosoftとHockeyApp共通の目標」であり、「月並みな表現ではあるが、これは“理想的な結婚”だ」と語った。
単体ツールとしてのHockeyAppの提供も継続する。
Microsoftはサティア・ナデラCEOの下、「モバイル第一、クラウド第一の世界のためのプロダクティビティ(生産性)&プラットフォーム企業」を目指す施策を多数打ち出している。開発者向けでは11月に「.NET Core」の開発スタックのオープンソース化と、Mac OS XとLinux向けの.NET Server Frameworkの公開、クロスプラットフォームのアプリ開発に対応する「Visual Studio 2015」のプレビュー版のリリースを発表した。一般ユーザー向けにもOfficeのマルチプラットフォーム対応を進めている他、同日にはiOS/Android/Amazon端末向けのMSNアプリを公開した。MSNアプリのマルチプラットフォーム対応については、9月のMSNリニューアルの際に予告されていたものだ。
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