りそなグループのシステム更改が大詰め、コスト削減と営業力強化へ(1/2 ページ)

りそなHD傘下の3行の情報系システムや営業店システムの更改が相次いで完了した。グループ共通のITインフラが実現することで、コスト削減と営業力強化を見込む。

» 2014年12月26日 08時00分 公開
[ITmedia]

 りそなホールディングス(りそなHD)のグループ3行(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行)における情報系システムおよび営業店システムの更改が12月までに相次いで完了した。これによって、りそなHDではさらなるコスト削減と営業力の強化といった効果を見込んでいる。

メインフレームからオープンシステムへ

 新情報系システムの構築は、りそなHDのITアウトソーシング先となるNTTデータとNTTデータソフィアが担当。8月から旧情報系システムと並行稼働させながら、11月17日に新システムの全機能のリリースと移行が完了した。

 りそなグループの旧情報系システムはIBMのメインフレームで構築され、約25年間運用されてきた。この間に経営体制や事業環境が大きく変化し、銀行業務も複雑化する一方、IT資産の残存やデータ活用に向けた情報提供手段が標準化されていないなどのシステム面の非効率性が課題になっていたという。新情報系システムはこうした課題を解決すべくオープンシステムで構築されている。

旧システムのイメージ(NTTデータより)

 構築プロジェクトは2013年4月にスタートし、情報活用インフラの強化と低コスト運用の実現を目指した。システム基盤ではLinuxのIAサーバやMicrosoft SQL Serverによるデータベース、SSD搭載ストレージなどを採用することで、今後の技術動向を見据えた先駆的なシステムになったという。新旧システム間でのジョブやデータのシームレスな連携を図るために、日立製作所のJP1やセゾン情報システムの文字コード変換製品「HULFT-DataMagic」を導入した。移行面ではCIJの技術を活用してPL/1やJCLで構築されたIT資産をCOBOL、Shellへ移行させている。

新システムのイメージ(同)

 また、新商品や新サービスの導入などに伴う情報を容易にシステムへ取り込んで活用するための「データハブ基盤」も構築した。NTTデータによれば、これによって機能追加や他のシステムとの連携でも開発期間の短縮やコスト削減が可能になるという。データハブ基盤からのデータ提供ではデータベース形式に加えて、ファイル形式でもできるようになった。この他に、既存の業務アプリケーションの約半分を廃止、統廃合するなど最適化を図ったとのことだ。

 新情報系システムに対してグループ社員からは、レスポンスやデータ加工における使いやすさや利便性の向上を評価する声が寄せられたという。

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