今、IBMが注目するスタートアップ企業5社農業ERPや遺伝子解析(3/3 ページ)

» 2015年05月13日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]
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登山特化の地図アプリ、インバウンド需要も見込む――「YAMAP」

photo セフリ代表 春山慶彦氏

 登山や釣りなどアウトドアレジャーに出かけたが、スマートフォンの電波が入らず、道に迷ってしまった――そんな経験がある人はいないだろうか。電波が入らない場所では使えないという地図アプリは多く、「あ、ネットにつながらない!」と気が付いてからは遅い。

 セフリが展開する「YAMAP」は登山やアウトドアに特化した無料のGPSマップアプリ。電波が届かない場所でも自分の位置が分かるもので、2013年3月のリリースから、アプリのダウンロード数は10万件、地図のダウンロード数は43万件を超えたという。今後は外国人観光客のインバウンド需要に合わせて、収益の拡大を目指す。富山県と協力して事業を展開する動きもあり、自治体レベルでの引き合いがあるそうだ。

 「地方の自然の魅力を国内外に発信したい。自然に触れる人がもっといてもいいと思っている。地方への人の流れを生みだすことで、日本を元気にしていきたい。例えば、スキー目的で日本を訪れた旅行者に、その他のスキー場や周りにある観光施設もセットで紹介するといった利用シーンも考えられる。いずれYAMAPは観光地図へと発展していく」(セフリ代表 春山慶彦氏)

photo YAMAP

 また、登山アウトドア製品の比較評価アプリ「YAMAP Gears」という新サービスを予定している。所有しているアウトドア製品や登山道具の価格比較や、ユーザー評価が行える。2015年中にアプリの30万ダウンロードを達成し、YAMAPのプレミアム会員の会費と、YAMAP Gearsから年間7億円の売り上げを目指すという。

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YAMAPの紹介

大企業のスタートアップ支援に国も期待

 今回のイベントには、経済産業省で新規産業室新規事業調整官を務める石井芳明氏も出席。企業によるスタートアップ支援を、日本政府として積極的に応援したいと述べた。

 「アベノミクスの成長戦略における重点分野に“産業の新陳代謝とベンチャーの加速”がある。それこそが新しい雇用とイノベーションを生むと考えている。今の日本で“起業”を成功させることは難しい。それは大企業の中で新しいことを始めようとしても同じ。日本政府としても、企業に挑戦する人的資産を大切にしていきたいと考えているが、IBMのような大企業がベンチャー支援をするのは大歓迎」(石井氏)

 今後、2015年5月19日〜20日に行われるIBMのカンファレンス“IBM XCITE SPRING 2015”で5社のうち1社が最優秀チームとして選ばれるという。これでBlueHubの第1期は終了となるが、「卒業後も参加チームを手厚く支援していく」(同社 ビッグデータ&アナリティクス アーキテクトの中林紀彦氏)という。

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