犯罪集団は企業の電子メール通信に割り込んで顧客をだまし、自分たちが操る銀行口座に代金を振り込ませていた。
欧州刑事警察機構(Europol)は6月10日、欧州企業のコンピュータに不正侵入を繰り返して多額の現金をだまし取っていたサイバー犯罪集団を摘発し、49人を逮捕したと発表した。
同機構の発表によると、被害はイタリア、スペイン、ポーランド、英国、ベルギー、ジョージアで発生し、短期間に総額600万ユーロがだまし取られていたことが分かった。
犯罪集団は各国の大手企業や中堅企業を狙ってコンピューターへの不正侵入を繰り返し、メールの通信に割り込んで詐欺を行っていたとされる。マルウェアやソーシャルエンジニアリングの手口を使って狙った企業のメールアカウントへの接続を確立すると、通信を傍受して請求書を検出し、相手の顧客をだまして自分たちが操る銀行口座に代金を振り込ませていたという。
逮捕されたのは主にナイジェリアやカメルーン、スペイン国籍の容疑者で、銀行口座に入金された現金はマネーロンダリング取引のネットワークを通じて欧州連合域外に移していた。
Europolはオランダ・ハーグに対策本部を設置して、イタリアやスペイン、ポーランド、英国などの捜査当局が連携。58カ所を捜索してPCやHDD、証拠書類などを押収した。
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