第22回 なぜ必要? Software-Definedなのに高性能サーバテクノロジーエバンジェリスト 小川大地の「ここが変だよ!? 日本のITインフラ」(1/2 ページ)

Software-Definedは一般的なx86サーバで実現するものですが、どんなサーバでもよいというわけではありません。“単に動くだけではダメ”な理由を説明します。

» 2015年08月07日 08時00分 公開

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 Software-Definedは一般的なx86サーバで実現するものですが、どんなサーバでもよいというわけではありません。それなりにハイスペックな最新サーバが必要となります。

 ですので、前回もご説明したとおり、「一昨年の残予算で買った検証機」や「Windows Server 2003関連で退役したサーバ」などでは要件を満たさないわけです。

 「なぜ?」と思われた方も多いでしょう。私が対面するお客様も「そんなにパワーがいるの?」と不思議な顔をされることが多いです。

 この疑問に答えるには、背景から説明するのがよいと思います。

Software-Definedに参入する2つのアプローチ

 家庭用のWi-FiルータやNASから、業務用のストレージや通信機器に至るまで、その大半がLinuxやBSDといった比較的身近なOSで動いています。

 ご存じの通り、これらのOSはx86版も用意されていますので、汎用のx86サーバ上で動くように移植するのはメーカーにとって難しい話ではありません。ではなぜ、今になってNetwork Function Virtualization(NFV)だ、Software-Defined Storage(SDS)だ、破壊的イノベーションだ、と活気を増すのでしょうか?

 少し横道にそれてみましょう。

 メーカーがSoftware-Definedに参入する際のアプローチは大きく2つあります。

 その1つは、実績のある専用装置(ハードウェアアプライアンス)から、コードのみを取り出してソフトウェア販売するアプローチです。親しみのある機器をソフトウェア化していますので、ユーザーにとっては使い勝手などをイメージしやすい特長があります。すでに成功を収めている大手ハードウェアメーカーはそのアドバンテージを生かし、こちらの方向で参入しています。

 もう1つは、最初からSoftware-Defined向けに、一からソフトウェア開発するアプローチです。実績はこれからですが、既存にとらわれずに独自開発されているのが最大の特長です。主に新興のソフトウェアメーカーがこの方向で参入しています。


photo Software-Definedに参入する2つのアプローチ
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