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» 2015年11月25日 07時30分 公開

第11回 Docker環境のバックアップをラクにする「Convoy」とは?古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(2/3 ページ)

[古賀政純(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

スナップショットって?

 2つ目の特徴である「ボリュームのスナップショットの取得/展開」ですが、そもそもスナップショットとは、何でしょうか。

 スナップショットは、ユーザーデータの情報が格納されたイメージを取得しておき、そのイメージを使って、ユーザーデータを段階的に参照することができる機能です。例えば、OSをインストールした直後にボリュームのスナップショットAを作成し、次に、ミドルウェアのインストール直後にスナップショットBを取得しておきます。

 ミドルウェアのインストール後、アプリケーションのインストールを行う際に、もしなんらかの理由で構築に失敗した場合や、誤ってデータなどを削除した場合でも、取得したスナップショットを適用することで、ミドルウェアのインストール直後や、OSインストール直後の状態に戻すことが可能です。Convoyを使えば、Docker環境において、ボリュームのスナップショットを取得することができるため、大事なデータを誤って削除・上書きしてしまった場合でも、スナップショットからデータを復活させることができるのです。

Convoy IT基盤において今や必要不可欠なスナップショット機能

データの保管もハイブリッドの時代

 3番目の特徴は分かりやすいかと思いますが、Convoyは、バックアップ先としてローカルのDocker環境以外にも、パブリッククラウド環境もサポートしています。最近は、製造業などの自社製品の設計データなど、機密性の高い非常に重要な非公開データをオンプレミスのIT基盤に置き、機密性があまり高くはない一般公開向けのデータは、クラウド上に配置するといったハイブリッド型の運用が見られ、オンプレミスとクラウド基盤の両方に対応したソフトウェアが求められていることが背景にあります。convoyは、まさにそのようなハイブリッドでの利用を念頭に置いた仕様になっているのです。

 以上の3点から、欧米のIT基盤におけるデータの取り扱いの方向性や課題が見えてきます。ディスクの利用効率の改善、データの保全性の向上、そして、ハイブリッド型基盤の採用です。

 ディスクの利用効率の改善やデータの保全性向上は、ビッグデータのような大規模ストレージシステムを購入する顧客においては無視できません。バックアップ・ソフトウェアは、世の中にたくさんありますが、特にConvoyは、近年のクラウド基盤の利用を想定していることが、ソフトウェアの特徴から読み取れます。Docker環境においては、「コンテナを作っては壊しの繰り返し」になることが多いため、大量のDockerイメージが量産され、それらの世代管理も必要になります。また、量産されたDockerイメージから起動したDockerコンテナにおいて、ボリュームに保管されたデータを過去に遡って、いつでも参照できることが望まれます。

 コンテナ型のシステムにおいては、コンテナからアクセスするユーザーデータを含むボリュームを、別のデータセンターやパブリッククラウド基盤に保管する運用が必要になります。このようなIT部門の要求に対して、Docker標準の「docker save/load」では、たとえ実現できたとしても、作り込みが複雑になりがちです。Convoyを使って、データの利用効率の向上、変更履歴、クラウドの活用を検討することが比較的近道であるといえるでしょう。

ハイブリッド型:オンプレミスとクラウド基盤を両方活用

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