Web会議はコミュニケーションプラットフォームになるかWeekly Memo(1/2 ページ)

Web会議システムが着実に普及している。国内の同市場を牽引するブイキューブは、自社製品を「ビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」と呼ぶ。果たしてそうなり得るか。

» 2016年01月18日 17時00分 公開
[松岡功ITmedia]

景気低迷が追い風になったWeb会議市場の拡大

ブイキューブの間下直晃社長

 「Web会議システムは社内会議にとどまらず、ビジュアルコミュニケーションプラットフォームとして今後さまざまな用途に広がっていく」

 こう語るのは、Web会議システムの国内最大手ベンダーであるブイキューブの間下直晃社長だ。Web会議システムがコミュニケーションプラットフォームになるとはどういうことか。果たして、なり得るのか。間下氏に話を聞く機会を得たので、今回はこのテーマを取り上げたい。

 ブイキューブは1998年に創業し、2004年からWeb会議システム「V-CUBE」を商品化して急成長を遂げている注目企業だ。調査会社のシード・プランニングのレポートによると、同社は国内Web会議市場で8年連続シェアトップを獲得。顧客企業は5000社を超え、最近では中国をはじめアジア地域にもビジネスを拡大している。2013年に東証マザーズに株式上場し、2015年7月には東証一部に市場を変更した。

 現行のV-CUBEは「V-CUBE One」と呼び、Web会議やWebセミナー、オンラインサポートなどのコミュニケーションシーンや目的に合わせ、1契約でV-CUBEサービス群から最適なサービスを選択して利用できる。提供形態はクラウド型とオンプレミス型があるが、月額利用できるクラウド型が中心となっている。加えて昨年10月には、V-CUBEをベースにした低価格なテレビ会議システム「V-CUBE Box」も提供開始した。

 ちなみに、ブイキューブはなぜ急成長を遂げてWeb会議システムの国内最大手にのし上がれたのか。間下氏によると、まず市場の動きとしては「2009年のリーマンショック以降、景気が低迷して企業が出張を控えたことで遠隔会議のニーズが急速に高まったのが追い風になった」という。

 確かにシード・プランニングのレポートを見ても、Web会議システム市場は2009年以降、年率フタ桁成長を示しており、企業にとってはとりわけコストを抑えることができるクラウド型のニーズが急速に高まったようだ。

 さらに競合環境については、「V-CUBEが他社のシステムよりもデザインや使い勝手においてお客様から高い評価をいただけたとともに、他社よりも直販に注力したことが奏効した」と述懐した。

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