カナダのカルガリー大学がランサムウェアに感染し、総額約2万カナダドルの身代金を支払ったことを明らかにした。
カナダのカルガリー大学は6月8日、学内のシステムがランサムウェアに感染し、システムを復旧させるために総額約2万カナダドル(約168万円)の身代金を支払ったことを明らかにした。
発表によると、同大は10日ほど前からサイバー攻撃に遭ってシステム障害が発生し、復旧作業を続けていた。6日までに、教職員の電子メールは復旧できたという。
しかし「システム障害に対応するための全選択肢を維持する取り組みの一環として」、要求された身代金総額約2万カナダドルを支払い、暗号を解除するための復号鍵を入手したという。
現在はこの鍵について調べている段階にあるが、「復号鍵によって自動的に全システムが復旧するわけではなく、全データの復元が保証されるわけでもない」と同大は説明。システムの完全復旧までにはまだ時間がかかるとの見通しを示した。カルガリー警察も通報を受けて捜査に乗り出しているという。
ランサムウェアを巡っては、病院や学校などが被害に遭って身代金を払う事例が相次いで発覚している。米国やカナダの政府機関は身代金の支払いには応じないよう促しているが、業務に支障が出て他に復旧の手段が見つからず、要求に応じる組織が後を絶たない。
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