コレ1枚で分かる「ハイブリッドクラウド」即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)

» 2016年06月29日 07時00分 公開
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NISTの定義によるハイブリッドクラウド

 NIST(アメリカ国立標準技術研究所)の「クラウドコンピューティングの定義」からは、少し違った解釈ができそうです。そこには、「ハイブリッドクラウド(Hybrid cloud)」について次のように書かれています。

 クラウドのインフラストラクチャは2つ以上の異なるクラウドインフラストラクチャ(プライベート、コミュニティー、またはパブリック)の組み合わせである。各クラウドは独立の存在であるが、標準化された、あるいは固有の技術で結合され、データとアプリケーションの移動可能性を実現している

 ここから読み取れることは、対象は「クラウドインフラストラクチャ=IaaS(Infrastructure as a Service)」であること。そして、「実態は異なるインフラであっても、あたかもそれらが1つのインフラであるかのように、データとアプリケーションを、両者をまたいで容易に行き来できる仕組み」であるということです。つまり、「プライベートクラウドとパブリッククラウドをシームレスな1つのシステム」として扱おうという考え方です。

 特定の企業が所有するプライベートクラウドは、どうしても物理的規模や能力の制約を受けます。しかし、これをパブリッククラウドと組み合わせて1つのシステムとして扱えれば、実質的には上限を気にすることのない規模と能力を手に入れることができます。このような仕組みが「ハイブリッドクラウド」の本来の定義なのです。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「ハイブリッドクラウド」:NISTの定義によるハイブリッドクラウドのイメージ

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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