ハイブリッドクラウドを、パブリッククラウドやプライベートクラウドの特長を踏まえた活用面から定義。さらにNIST(アメリカ国立標準技術研究所)の定義を基にした別の側面も紹介します。
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせ、それぞれの得意不得意を補完し合いながら両者を使い分ければ、コストパフォーマンスの高いシステムの使い方ができます。
例えば、電子メールや情報共有などのコラボレーション機能といった、自社の独自性がないものはパブリッククラウドのSaaS(Software as a Service)を利用し、セキュリティを厳しく管理しなければならない人事情報や個人認証はプライベートクラウドで行い、その情報を使ってSaaSを利用できるようにする――という使い方があります。
また、モバイルで、世界中どこからでも使える経費精算サービスをパブリッククラウドのSaaSとして利用し、そのデータをプライベートクラウドの自社専用の会計システムに取り込んで処理するという使い方も考えられます。
他にも、アプリケーションシステムを開発する際、社外のプログラマーと共同で作業を進めることや、開発に便利なツールを簡単に利用できるパブリッククラウドを使い、本番は自社専用のプライベートクラウドに移して稼働させるといった使い方もあります。
さらに、災害への対応を考え、通常はプライベートクラウドを使用し、データのバックアップや災害時の代替システムをパブリッククラウドに置いておき、災害でプライベートクラウドが使えなくなっても切り替えて使用することで業務を継続させるという使い方もあります。
このように、パブリックとプライベートのそれぞれクラウドの特長をうまく組み合わせ、利便性やコストパフォーマンスの高いシステムを実現しようというのが、ハイブリッドクラウドについての一般的理解です。
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