JP1とSaaS型ITサービスマネジメントを連携させる取り組みを開始した。
日立製作所とServiceNowは7月19日、ITサービスマネジメント分野での協業に合意したと発表した。まずは日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」と「ServiceNow」の連携を開始する。
JP1は、ミッションクリティカルな業務の安定稼働やITシステムの運用監視のための各種機能に強みがあり、国内企業を中心に20年以上の導入実績がある。オートメーション、モニタリング、コンプライアンスの3つのカテゴリでシステム運用の最適化を行うのが特徴という。
一方、ServiceNowは企業内で提供される各種サービスをITILに基づく標準化された運用プロセスで迅速に実行できるSaaS型クラウドサービス。世界3000社以上への導入実績がある。メールやスプレッドシートに頼ることなく業務フローを定義・構築・自動化することで、IT部門だけでなく人事、経理、ファシリティ、フィールドサービスなどにサービスマネジメントの機能を提供している。
両製品の相互連携では、JP1の監視結果に基づいてServiceNowによるITサービス運用でのインシデント管理や問題管理、変更管理、リリース管理といった各プロセスを標準化された手順で実行できるようにする。また、ServiceNowのワークフローの延長でJP1による自動化も可能にする。この連携は2016年度内に実現する予定。また、ServiceNow向けに事前構築された開発スイートを活用して、業務アプリケーションの迅速な構築を進めるカスタムアプリケーションの提供も検討していく。
ITサービスマネジメントの改革で、変化へ対応できる企業体質を構築しようという動きが目立つようになってきた。IT部門ではエンドユーザーからの多様な要求に柔軟に応える一方で、ガバナンスやリスク管理についてはしっかりと強化していきたいというニーズがあり、今回の連携はそうしたニーズへ具体的に対応する取り組みとみられる。
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