親世代も学ばなくてはなりません。できれば、ガラケーだけでなく、子どもたちが使っているデバイスを学び、どんな「危うさ」がそこに隠れているのかを知るべきでしょう。そのため、ゲームも含めて子どもに与えたアプリを、自分でも使ってみることをお勧めします。それが子どもたちとのコミュニケーションになるかもしれませんしね。
今回の教室でとても印象的だった言葉は保護者向けセッションで語られた「本当の被害は何?」ということです。ぱっと思いつくのは、ランサムウェアや情報漏えいの被害という「金銭的な被害」だったのですが、それよりも「精神的なショック」のほうが大きいと、トレンドマイクロ 製品開発本部 製品開発部 コンシューマ製品開発課の山口恵理子氏は言います。
ITが子どもたちに一生消せない傷を残してしまうということは、本当に悲しいことです。そうならないように、親世代もスマートフォンやインターネットで起きえることを積極的に知り、それを家族で話し合うべきでしょう。
保護者のディスカッションでは、インターネットを使う上でできることとして、保護者の意識、大人による教育が重要だとしていました。もちろんここには、「セキュリティソフト」といったITのパワーも重要でしょう。それでもやはり、家族が家族を守るということも重要なのです。
「あやしい人や知らない人にはついていかない」ということの延長線上に、スマートフォン利用におけるルールもあるはずです。子どもたちはまだもうちょっとだけ夏休みが続きます。この機会にぜひ、家族でもう一度ルールを考えてみてはいかがでしょうか。
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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