最近のIT系セミナーなどでもよく取り上げられるテーマの1つが「ワークスタイル変革」です。なんだかIT部門がやるべき仕事のように思いがちですが、やはり“ココヘン”が存在します。それは――。
「ワークスタイル変革」―――クラウドと並ぶ、ここ数年話題のITキーワードの1つですね。みなさんの会社はいかがでしょうか? 導入・実践されていますか?
ITインフラの切り口では、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)を始めとする「デスクトップ仮想化」が挙げられますし、PC管理も掛け持っているとMDM(Mobile Device Management)といった「モバイルデバイス管理」なども挙げられると思います。
今回はそういった方法論やソリューション(解決策)の話ではなく、「ワークスタイル変革ってどうよ?」「進んでる?」「誰の仕事だっけ?」といった“そもそも論”について着目してみたいと思います。
ワークスタイル変革って、そもそも誰の仕事でしょうか?
「情報収集しようかな……」と探してみると、先ほど挙げたVDIやMDMをサービスメニュー化しているSIベンダーが毎日のようにセミナーを開催していますし、展示会に行けばITメーカーがスポンサーの上位を埋め尽くし、大きなブースと講演枠で大々的に宣伝しています。
こう見ると、もはや「ワークスタイル変革=ITソリューション」。情報系やITインフラ系の仕事に見えてきます。「じゃあ、情シスチームよろしく!」となるわけですが、まずここが危険です。
私は一時期、シンクライアント・VDIソリューションをリードしていたことがあり、現在も片足を浸かっています。足かけ8年ほどで3桁超の導入を見守ってきたのですが、残念なことに全てのお客様がハッピーだとは言えません。サイジングミスが原因だったこともありますが、「システムはきちんと稼働していても誰も使ってくれない」とか、「ガバナンスを効かせすぎて破綻した」など、施策・プロジェクトとしては失敗と言えるケースも少なからず実在します。
思い返してみると、このようなケースは商談の段階から既にその雰囲気を漂わせていました。
ここから何が見えてくるでしょうか?
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