日本は「Windows OSをハードウェア」と考える傾向にありますが、欧米企業は全く逆の感覚を持っています。その理由とは?
ここ最近メディアを賑わせているWindows 10への強制アップデート。Windows XPのサポート切れを発端とした「Windows 7への全面移行」を思い出すIT担当者も多いでしょう。
一部の環境を除き、Windows 7の延長サポートは東京オリンピックの年まで続きます(期限は米国時間2020年1月14日)。ですので、まだ余裕があるかと思いがちですが、Internet Explorer(IE)は最新バージョン以外のサポートが既に打ち切られていたり、今秋からはWindows 7搭載PCが購入できなくなったりするらしい―――。
結局のところ、早々にWindows 10への順次移行を考えなければならず、解散した“新OS対策プロジェクト”を再結成しなければならなそうです。
前回、この件について日本企業は「Windows OSをハードウェアと捉えている」という話を挙げましたが、OSだけのバージョンアップも辞さない欧米企業の運用の現場をご紹介していきましょう。
新しいWindows OSの採用・導入は、社内で「対策プロジェクト」を設けるほどの一大イベントになります。これは、情シスの企画部門だけではなく、運用担当者やヘルプデスクチーム、業務アプリ部隊の有識者を交えた“部署横断型”の全社プロジェクトです。ここまで大ごとになる理由は言うまでもなく、既存からの仕様変更の確認と、それを受けての既存アプリの互換性確認・検証など、実際に非常に多くのタスクがあり、情シス部門だけでは手に負えないためです。半年で移行できるなら早い方でしょう。一般的には1年、長くて2年掛かります。プロジェクトスケジュールの面から見ても“大ごと”と言って過言ではないでしょう。
おそらく、情シス部門にとってその年のメインプロジェクトの1つに掲げられることと思いますが、実はこれ自体の日本の感覚が他の先進国とは異なっています。
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