Windows 10で新たに導入される月額課金モデルとその戦略Enterprise IT Kaleidoscope(1/2 ページ)

Microsoftは、企業向けWindows OSのボリュームライセンスに月額課金モデルを追加することにしている。その特徴と提供の狙いはなんだろうか。

» 2016年09月12日 08時00分 公開
[山本雅史ITmedia]

 前回解説した企業向けWindows OSのボリュームライセンスは、これまで複数年の一括支払い、もしくは1年ごとの支払いだった。2016年7月に米国で開催されたカンファレンスの「Microsoft WorldWide Partner Conference 2016」では、同社のパートナー経由で提供する「Cloud Solution Provider」(以下、CSP)向けのライセンスとして、月額課金モデルが明らかにされた。

 その1つの「Windows 10 Enterprise E3 for CSP」は、Windows 10 Enterprise(以下、Win 10 EP) E3と同じ内容を1ユーザーあたり月額7ドル(日本では月額730円)で提供する。また、「Windows Defender Advanced Threat Protection(WDATP)」を搭載したE5に関しても、CSP経由で月額14ドル(同1460円)で提供される。

CSPパートナーだけが月額課金のWin 10 EPを扱える。E3は月額7ドル、E5は同14ドルとなる
以前のCSPパートナーは「Enterprise Mobility Suite」「Office 365 E3」「Dynamics CRM」などを販売していた。これに対応する形でWin 10 EP E3が9月から、同 E5も10月から提供される。

 Microsoftは、月額課金のWindows OSをパートナー経由で販売するというより、パートナーの各種クラウドサービスと組み合わせた一つのクラウドソリューションとしてとらえ、Win 10 EPを含めて販売していこうと考えているようだ。同社としては、Windows OS自体を月額課金で提供するより、パートナーがパブリッククラウドのAzureを使って新たなクラウドサービスを提供するようになっていく方が、同社のビジネスをさらにクラウド中心にシフトさせることにつながるとみている。

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