Windows 10で新たに導入される月額課金モデルとその戦略Enterprise IT Kaleidoscope(2/2 ページ)

» 2016年09月12日 08時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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 既にOffice 365もCSPでは月額課金モデルの提供が実現しているため、Microsoftは、Officeとパートナーのソリューションをパッケージ化してWindows 10の企業普及を進めていこうとしている。一方、コンシューマーを含めてWindows OS単体を月間課金で販売していく戦略ではない。

 コンシューマーでは、PC購入時にWindows OS(Home/Pro)がプリインストールされているため、わざわざ月額課金にする意味はあまりないだろう。こう考えると、コンシューマー向けのWindows OSが月額課金になるとは思えないのだ。

 企業向けのWin 10 EP E3/E5 for CSPに関しては、今回はCSPパートナー経由での提供となるが、もしかするとパートナーのクラウドソリューションと組み合わせたパッケージだけでなく、ボリュームライセンスとしても月額課金で提供される可能性がある。ただし、パブリッククラウドのAzureのように、月額課金という形よりは、従来型に近い年間契約などの方が1カ月あたりの使用料が安くなるような形で提供されることになるだろう。

 現状では、中小企業や数人の事務所(SOHO)などでなかなかボリュームライセンスによるWindows 10の利用が広がるとは考えづらい。こうした企業の多くは、Win 10 Proのプリンストールモデルをそのまま購入、利用している。

 しかし、Office 365やクライアント管理の「Intune」などのクラウドサービスと組み合わせたり、Win 10 EPの高いレベルのセキュリティ機能を利用したりしていこうと思えば、ボリュームライセンスは必須となってくる。

Windows10 Anniversaryでは、Windows Information Protection(旧Enterprise Data Protection)、WDATPなどのセキュリティ機能が用意されている

 Microsoftとしては、Windows 10の企業ユーザーを広げるためにも、もう少しボリュームライセンスを分かりやすくシンプルにしたり、オンラインで簡単に購入したりできるなどの施策が必要になるだろう。

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