顔認識、面白くて実用的な技術へと進歩(1/2 ページ)

最近では人間の体を使った認証技術への注目が高まりつつあります。その中でもカメラで表情を読み取る「顔認証技術」にはどんな特徴があるのでしょうか。まずは10個のメリットです。

» 2016年09月22日 08時00分 公開
[Kaspersky Daily]

この記事はカスペルスキーが運営するブログ「Kaspersky Daily」からの転載です。一部編集しています。


 顔認識技術は、善にも悪にも利用できる強力なツールです。今回は、この技術の優れた活用方法を10件ご紹介します。

1.犯罪者の逮捕

 罪の大きさに関係なく、ミネソタ州ヘネピン郡の刑務所に収容される囚人は必ず顔写真を登録しなければなりません(英語記事)。同刑務所に今年導入された顔認識システムは80回ほど使用され、32回の認識に成功しています。ロサンゼルスや米国内の他の郡刑務所でも同じようなシステムが活用されています。

2.入国者の把握

 2004年以降、米国務省は顔写真のデータを蓄積していて、今やその数は7500万枚に上ります。これらデータは、2018年までにビザの発行に利用される予定で、テロリストや犯罪者から国を守ることを目的としています。

 FBIは同じ目的で4億1200万枚以上の写真をチェックしています。データベースには免許証や、ビザ・パスポートセンター、刑務所などの全米の施設から収集された画像が格納されています。

3.デジタルID泥棒の捜査

 2008年以降、米国の陸運局は顔認識を活用して、他人のIDを盗んで免許証を不正取得する犯罪者を探し出しています(英語記事)。インディアナ州では、同じようなシステムを2年間活用し、この手の詐欺犯罪を半減させました。

4.行方不明者の捜査

 Helping Facelessプロジェクト(英語サイト)をご存じでしょうか? このプロジェクトはEricssonが支援しており、行方不明の子供たちを家族の元に返すこと、そして児童売買を撲滅することを目的としています。

動画が取得できませんでした

 仕組みは、こうです。大人は特別なアプリを使って、道ばたで物乞いをしている子供たちの写真を撮影します。写真は自動的にプロジェクトのサーバにアップロードされ、顔認識システムを使ってサーバ内の写真と照合されます。データはこの他、子供たちを支援する承認済みのNGOとも共有されます。

5.居眠りドライバーを起こす

 採掘作業で使われているCaterpillarなどの巨大トラックを、目にしたことはあるでしょうか? 乗用車を簡単に押しつぶせるほどの大きさで、しかも、トラックのドライバーは小石を踏んだ程度にしか感じないそうです。そんな怪物トラックで居眠り運転されたらどうなるか、想像してみてください!

 巨大トラックは24時間365日稼働し、ドライバーの中には夜勤の人もいることから、疲労による事故のリスクは高くなります。そこでCaterpillarは、事故防止のために顔認識システムを採用しました(英語記事)。

 この特別なソフトウェアは、ドライバーの目の開閉状態や頭の位置など、疲労の兆候を判定し、悪い兆候を検知するとトラック内に警報を鳴らし、同時にCaterpillarの睡眠不足センターに動画を送信します。必要に応じて、安全アドバイザーがドライバーに対して仮眠を取るか、睡眠障害の検診を受けるように指導します。このソフトウェアは、世界中にある何千台ものトラックに導入されています。

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