サーバの仮想化環境の普及とともに、ストレージへの負荷が課題となるケースも増えている。ストレージの“うるさい隣人(ノイジーネイバー)”問題を解決するため、チェックすべき5つのポイントを解説する。
この記事は羽鳥正明氏のブログ「仮想化&ストレージの基礎と最前線」より転載、編集しています。
最近、よく話題に上がる、仮想化環境における“うるさい隣人(ノイジーネイバー:Noisy Neighbours)問題”についてお話します。
IT市場では近年、オンプレミスで自ら物理サーバを構築して維持管理するという従来の手法から、仮想化されたサーバを利用することで効率化を図る企業が非常に増加しつつあります。
しかし、その用途が拡大するにつれて、当初の予想をはるかに超えるさまざまな用途のサーバが仮想化された1つのストレージを共有することになってしまうこともあります。すると、ストレージのI/Oリソースを取り合うという、導入当初にはあまり想定されなかったクリティカルな状況が増加し問題となってくるのです。これが「ノイジーネイバー」、日本語でいうところの「うるさい隣人」と呼ばれるものの正体です。
仮想マシン(VM)では、特に大規模なDB処理などが一斉に行われると、ストレージへの短時間でのアクセスが急増し、他の仮想マシンのレスポンスの急低下やレイテンシ増大などが実際に生じるケースが非常に増えることになってしまいます。
ERPなどは仮想化マシンに移行するとサーバの管理面やコストパフォーマンス面で優位性があることから実行する企業も増えていますが、いざ使い始めてみると、想像をはるかに超えるほどパフォーマンスが上がらないという問題に直面することも目立ちはじめています。
また、最近、多くの企業が仮想デスクトップ環境を利用しはじめ、ホームワーカーなどに対応した環境構築に取り組み始めていますが、朝の始業時に一斉に従業員がPCを機動することにより、サーバやストレージに負荷がかかって処理が追い付かなくなるブートストームと呼ばれる状況も見られるようになっています。
さらにウイルス対策ソフトの定期的なスキャニングやセキュリティパッチの一斉適用などが実施される場合にも、ストレージI/Oの競合からパフォーマンスが著しく低下する問題が現れるようになってきているのです。
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