日立製作所が提供する地域金融機関向け共同アウトソーシングサービス「NEXTBASE」の加盟行と日立が、組織横断的な取り組みとして、サイバー攻撃への対応力強化を図る試みとなる。
日立製作所は12月8日、同社の地域金融機関向け共同アウトソーシングサービス「NEXTBASE」に加盟する12行と「セキュリティ対策共同検討会」を設置したことを発表した。(※1)
NEXTBASEは、日立が提供する勘定系、外接系などの基幹系システムの地域金融機関向け共同アウトソーシングサービス。2015年3月には「災害時相互協力に関する協定書」を締結し、各加盟行間の連携を強化しているという。
今回、設置したセキュリティ対策共同検討会では、企業間の枠を超える超えた組織横断的な取り組みとして、サイバー攻撃に関する情報共有や、対策の検討、共同訓練などを実施し、サイバー攻撃への対応力の強化を推進していく構え。
具体的には、各加盟行のサイバー攻撃に関する態勢、平常時・緊急時の対応フローや事例などを共有し、セキュリティレベルを他行と比較しながら、さらなるレベル向上に活用。各行に共通する課題については、システムの脆弱性を洗い出すセキュリティ診断などを実施し、対策を検討していくという。
また、セキュリティ対策に関する教育や実践的な訓練プログラムを共同化し、行員のセキュリティ対策スキルの効率的な底上げを図るという。スキルアップに向けた汎用的な教育や訓練にとどまらず、組織や人員規模、行員の担当業務など各加盟行の経営の特長とニーズに応じた教育・訓練プログラムの充実を目指すとしている。
さらに今後は、新たなサイバー脅威への迅速な対応や、各加盟行のセキュリティ施策に関する運用負荷の軽減を図るため、対策組織やセキュリティ監視センターの共同化を検討していくという。
サイバー攻撃が増加する中、迅速かつ多角的な対応が求められる企業のセキュリティ対策は、一企業・組織だけで行うにとどまらず、このように企業・組織を超えた業界全体の取り組みとしていくことで、より多角的なソリューションを創出していけるのではないだろうか。
※1 現在「NEXTBASE」に加盟している12行は、徳島銀行、香川銀行、北日本銀行、トマト銀行、高知銀行、栃木銀行、中京銀行、大光銀行、第三銀行、静岡中央銀行、大正銀行、大東銀行(加盟順)
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