NEC、タイの政府職員を対象に「実践的サイバー防御演習」を実施

増加するサイバー攻撃に対応するため、タイ政府系機関の情報システム管理者のインシデントハンドリング能力の向上を目的とした「実践的サイバー防御演習」をバンコクで実施した。

» 2016年12月15日 08時00分 公開
[ITmedia]

 NECは12月14日、タイの現地法人「NECタイ」を通じて同国政府職員を対象にした「実践的サイバー防御演習」を実施したと発表した。演習はタイ電子取引開発機構(ETDA)から受注したもので、12月6日から4日間にわたって約50人の職員が参加した。

 ETDAはタイのデジタル経済社会省傘下の政府系機関。同国のサイバーセキュリティ関係機関の1つとして、コンピュータセキュリティインシデントの監視・対応を行う組織「ThaiCERT」の運営などを行っている。今回の演習には、ETDA職員と他省庁の職員も参加したという。

 演習内容は、省庁内ネットワークを模した環境を用意し、情報セキュリティ事故(インシデント)の発生から事態を回復させるまでの一連のインシデントハンドリング(事故対応・調整)の流れを体験するもの。技術的な対処のみならず、職員への指示やエスカレーション、関係機関との情報連携など、被害拡大を防止するために重要な組織的な対応についても学習し、サイバー攻撃に的確に対応できる「総合力の高い情報システム管理者」を養成することを目的としているという。

Photo タイにおける実践的サイバー防御演習

 2015年4月には、総務省とタイ情報通信技術省(現デジタル経済社会省)が共同声明に署名。ここでは、サイバーセキュリティに関する協力活動の拡大及び重要情報インフラ防護に関する普及啓発に関する協力などがうたわれた。日本の先進技術を用いたサイバーセキュリティ分野での協力が期待されていることがある。

 この協力活動の一環としてNECは、2015年11月に在タイ日本国大使館との協力を得て、タイ政府関係者に実習を実施。政府関係者から好評を得たという。なお、2015年11月の演習は、総務省が2013年度から国内で実施している政府機関向け実践的「実践的サイバー防御演習(CYDER)」と同様のものとのこと。

 NECは、サイバー防御演習でノウハウがあり、近年は社会課題化するサイバーセキュリティ人材の育成にも注力する。今後も「国内外の官公庁や地方公共団体、重要インフラ企業などへのサイバー防御の演習や製品の提供を通じてサイバーセキュリティ能力の向上に貢献する」と表明している。

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