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» 2017年04月25日 11時00分 公開

コレ1枚で分かる「デジタルトランスフォーメーションを支える5つのテクノロジートレンド」即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]
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サイバーセキュリティとガバナンス

 クラウドネイティブもアンビエントITも、ともにセキュリティやガバナンスの常識を大きく変えなくてはなりません。

 これまでのように自社システムを自社の管理の行き届く場所に物理的に設置し、それを取り囲むように壁を張り巡らせ、自社と外部の境界を守るといったセキュリティは成り立ちません。

 クラウドもIoTも自社の直接的な支配下にはなく、内と外との目に見える境界は喪失します。そうなると大切になってくるのは、デバイスやシステムと利用者とのお互いの信頼を確立することです。そのためには「誰が使っているのか」のアイデンティティーと、「いつ、どのように使ったか」のログを管理できる基盤が鍵を握ることになるでしょう。

 守るのは物理的なシステムそのものではなく、データやプロセスを守るという発想への転換が大切になります。また、管理する対象が膨大な数となり、ログの中から攻撃、痕跡、リスクを見つけ出すための作業は膨大なものとなります。もはや人手に頼ることを不可能であり、自動化や自律化、エージェント化といった新たな仕組みが必要になるでしょう。

 また、セキュリティを技術問題としてではなく、ビジネスプロセスやアプリケーションをセキュアに作ることまで含め、アーキテクチャ全体を考えたセキュリティが重要になります。

DevOps

 ビジネスは、常に市場の変化に敏感に反応し、そのプロセスや機能を変えていくことで生き延び、成長します。そのスピードと柔軟性が大きな価値を生み出すのです。

 「アンビエントIT」の拡大は、ビジネスとITをますます不可分なものにします。つまり、ビジネススピードに同期化し、柔軟に機能や性能を変えられるITでなければなりません。

 システムを新たに作る、あるいは仕様を変えることは、ビジネスを成功させるために必要なことです。そこに求められるスピードが加速しつつある中で、従来同様に仕様を固め、工数を手配し、見積もりをとって対応しているようでは使いものになりません。ビジネスの要求に即応し、システムを開発し、直ちに本番に供すること。それを頻繁に繰り返しながらビジネス現場のスピードに同期化できなくてはならないのです。

 そのためには、先に説明した「サーバレス」な環境を生かすことを前提に、開発と運用管理の関係を抜本的に変えなくてはなりません。

自動化・自律化

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 IoTと人工知能の普及は、人手の負担を劇的に減らしてしまうだけではありません。人間が介在するが故にできない膨大なデータのリアルタイム処理、意志決定に伴う時間的遅延の解消、人的エラーの排除が実現されます。

 そのためには、標準化されたルールを確実にこなす自動化、状況を適宜把握し、その時々の最適解を見つけ、人手に頼らず判断し、実行する自律化が必要となります。これにより、人間の介在を前提としないビジネスモデルやビジネスプロセスを考えることが可能になるのです。

 つまり、自動化や自律化は、単なる省力化の問題としてではなく、ビジネスの在り方の変革として捉えるべきなのです。そういう視点を持つことができたときに、自動化や自律化は「デジタルトランスフォーメーション」を実現する重要な要件となるのです。

デジタルトランスフォーメーションとデジタルディスラプションは表裏一体

 以上に掲げた「デジタルトランスフォーメーションを支える5つのテクノロジートレンド」に向き合うことが、ビジネスの創出と発展につながります。しかし、そのことは同時に「デジタルディスラプション(デジタルによる破壊)」を伴うことも覚悟しなくてはなりません。

 これまで自分たちのビジネスを支えてきた経営基盤は破壊されるかもしれません。そのことを覚悟しなければならないのです。ただ、いずれ破壊されるのであれば、そこに関わらないことの方がむしろリスクです。それを自ら破壊することでイニシアチブを確保するという攻めの姿勢こそが、生き残りを支えていくことになるのです。

 いくつかのビッグプロジェクトが終了し、工数需要が減りつつあります。それを単なる需要の変動としてしか捉えられないとすれば、生き残ることはできません。「デジタルトランスフォーメーション」と「デジタルディスラプション」へと向かう潮目の変化なのだと受けとめ、自らの役割の再定義や経営資源を再配分していく好機とすることです。その道は、平たんではありませんが、もはや選択の余地はないのです。

著者プロフィル:斎藤昌義

book 未来を味方にする技術

 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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