無料の便利な機能を使う代わりに、情報を差し出す――。そんなことが当たり前になりつつある時代に自分の身を守る方法を考えてみました。
ずいぶん前に取り上げた「Googleロケーション履歴」(記事1、記事2参照)。この機能はAndroidのGPS情報などから、あなたが(正確にはあなたのスマートフォンが)いつ、どこにいたのかを記録し続けるというものです。
最初にこの機能を知ったときには、記録内容がかなりセンシティブなところまで及んでいることに驚きましたが、過去を振り返る上では便利であり、今では“自動で記録してくれる日記のようなもの”という認識でいます。ただ、内容が内容だけに、不安な人はGoogleが用意している2要素認証などの仕組みを使って、情報を保護すべきでしょう(いや、不安な方だけでなく、全員に2要素認証をお勧めしますよ)。
驚いたのは、いつの間にかiOSでもこのロケーション履歴が完璧に取得されていたことです。2014年1月に記事を書いたときは、Android OS向けの機能を使っており、当時、この機能はiOSに対応していなかったように記憶しています。
その後、iOSに戻った私は、この機能が使えなくなったことを残念に思いながらも、少しほっとしていたのですが、どうやらiOSのGoogleアプリやGoogle Mapアプリが定期的に位置情報を送信し、ロケーション履歴を保存するようになったみたいです。単に気が付かなかっただけかもしれませんが……。
ロケーション履歴って何? という人は、あなたのスマートフォンでGoogleマップのアプリを実行し、左上のメニューから「タイムライン」をタップしてみてください。知らない人はその記録の詳しさに驚くと思います。
タイムラインの情報はもちろんオフにもできますし、過去の情報を削除することもできます。大事なのは、“自分の情報と引き替えにサービスを使っている”と、分かって使っているかどうか、という点です。
注目すべきは、そのロケーション履歴にGoogleの他のサービスである「Googleフォト」の写真が連携されていること。日記としてはよりよいサービスになっているのですが、一方でプライバシーの課題がさらに浮き彫りになる可能性があります。
Googleに保存されている各種の情報が連携すると、個人を特定する情報になりかねないので、「Google怖いかも」と思う人もいるかもしれません。私自身も便利だと思うことに変わりはないですが、“ささやかな抵抗”を試みるころ合いかもしれない、とも思い始めています。
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