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» 2017年05月15日 11時00分 公開

Weekly Memo:SIerが成長を続けるために必要なことは 好調、NTTデータ社長が語る神髄 (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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NTTデータの「SIer道」の神髄は?

 岩本氏によると、第3ステージは冒頭の発言にあるように「Trusted Global Innovator」を目指し、信頼されるブランドであることを浸透させるとともに、世界3大地域でほぼ均等な事業ポートフォリオを形づくっていく考えだ。そのうえで、ITサービスベンダーとして「世界トップ5」入りを狙う。

 具体的な取り組みについて同氏は、「Status」「Scope」「Strength(強み)」という3つのキーワードを挙げ、次のように説明した。

 まず、Statusは世界トップ5に入って認知度を一層高めることにある。また、Scopeは世界3大地域でほぼ均等な事業ポートフォリオを形づくっていくことにあり、その中で同氏は特に、「当社として年間50億円以上または5000万ドル以上の取引がある顧客数を現在の60社ほどから100社超にする」「主要国でトップ10に入る」「グローバルシナジーを追求する」ことを掲げた。

 そしてStrengthについては、顧客との深い理解による信頼関係を構築する「Long-Term Relationship」、ビジネス革新を顧客と共に実現する「Applied Innovation」、生産技術革新の追求やNTTグループのR&Dを活用した「R&D Excellence」といった3つを挙げた。(図2)

Photo 図2 グローバルビジョンの第3ステージの内容

 業績の数字をしっかりと残し、勢いのある中でのグローバルビジョンだけに、会見を聞いていても非常に頼もしく感じた。だが、ITサービスベンダーの中でもいわゆるSIer(システムインテグレーター)の代表格である同社が、将来的にもその業態を変えずに成長し続けていけるのか。

 例えば、グローバルではメガクラウドサービスベンダーと競合するケースも出てくるだろう。その状況によっては、先述した第3ステージの内容も変わってくるかもしれない。そんな疑問を会見の質疑応答でぶつけてみたところ、岩本氏は次のように答えた。

 「どんな市場環境であれ、私たちの基本姿勢は“クライアントファースト”にある。つまり、お客さまが何を望んでいるのか。お客さまにとってどのようなソリューションが最適なのかを、お客さまとともに考えて実現していくのが、私たちの役目だ。もし、お客さまからAmazon Web Services(AWS)のサービスを使いたいとの要望があれば、私たちはそれに対しても全力で取り組む。これまでも、例えばネットワークにおいて、NTTグループだからNTTのネットワークしか扱わないといったことはなく、お客さまの要望に応じて他のネットワークも扱ってきた。その意味で私たちは自らを、クライアントファースト・ソリューションプロバイダーだと認識している」

 この回答にはまさしく「SIer道」とも呼ぶべき理念が示されている。図3にNTTデータが考えるSIerの役割を示しておく。岩本氏の回答の意味を読み取っていただけるだろう。同氏流に言えば、SIerはつまり「クライアントファースト・ソリューションプロバイダー」である。とはいえ、クライアントファーストは不変にしても、SIerも時代に合わせて変化が迫られるはずだ。その代表格のNTTデータがこれからどう変わっていくか、注目しておきたい。

Photo 図3 ITサービス業界におけるSIerの役割(出典:NTTデータの資料)
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