NTTコミュニケーションズとNTTデータがそれぞれ、企業の基幹システムのクラウド移行支援に注力し始めた。NTTグループの本格攻勢で基幹クラウド市場は一段と激戦区になりそうだ。
NTTグループで企業向けクラウド事業を展開するNTTコミュニケーションズ(NTT Com)とNTTデータが、基幹システムのクラウド移行支援に注力し始めた動きが先週、相次いで見られた。
まず、NTT Comは2月6日、EMCジャパンおよび米Virtustream(バーチャストリーム)と提携し、大規模SAPシステムなどの基幹向け共有型クラウド基盤サービスを共同で開発・販売していくと発表した。
NTT Comのデータセンター、ネットワーク、既存クラウド基盤と、Virtustreamのミッションクリティカルな環境に対応する共有型クラウド技術、Dell EMCのストレージ技術とコンバージドインフラ技術を組み合わせ、Virtustreamの特許技術であるきめ細かい従量課金の仕組みが利用可能なクラウドサービスを開発。図1のように、NTT Comのクラウドサービス「Enterprise Cloud」の新たなメニューとして今春に国内で提供開始する予定だ。ちなみに共有型クラウドとは、すなわちパブリッククラウドのことである。
新サービスの特徴は図2の通りだ。詳細については関連記事をご覧いただくとして、ここでは発表会見で説明に立ったNTTコミュニケーションズの森林正彰 取締役クラウドサービス部長、EMCジャパンの大塚俊彦 代表取締役社長、Virtustreamのサイモン・ウォルシュ最高執行責任者(COO)の印象的な発言を紹介しておこう。
「Enterprise Cloudではこれまでも基幹システムのクラウド移行ニーズに応えてきたが、今回3社の協業によって欧米で既に実績を上げているVirtustreamのサービスをラインアップに加えたことで、基幹クラウド市場において競争力を一段と高めていきたい」(森林氏)
「3社の協業により、コスト効率、パフォーマンス向上、俊敏性、セキュアな環境の4つを備えた基幹クラウドを多くの日本企業にお届けしておきたい」(大塚氏)
「Virtustreamのサービスは、プライベートクラウドの利点を保持したパブリッククラウドで、プライベートクラウドから移行すれば3割のコスト削減を図ることができる。グローバルでこれまで約2000件の導入実績がある当社のサービスを日本企業にもぜひ活用していただきたい」(ウォルシュ氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.