第43回 Dockerイメージを「Quay.io」で管理する(セキュリティ編)古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(2/2 ページ)

» 2017年06月12日 10時00分 公開
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 そこで今回は、別のコンテナ「c0002」を起動し、パッケージを全て最新に更新したDockerイメージ「c68websvr02」として登録し、Quay.ioでセキュリティの脆弱性をチェックし、Dockerイメージ「c68websvr01」と比較してみましょう。まずは、入手済みのOSテンプレートから、コンテナ「c0002」を起動し、コンテナ「c0002」上で、パッケージを最新に更新した後に、iprouteパッケージと、Webサーバーのhttpdパッケージをインストールしてみます。

local # docker run -itd --name c0002 -h c0002 centos:6.8 /bin/bash
local # docker exec -it c0002 /bin/bash
[root@c0002 /]# echo "proxy=http://proxy.your.site.com:8080" >> /etc/yum.conf
[root@c0002 /]# yum update -y && yum install -y iproute httpd
[root@c0002 /]# exit

 再びホストOSのコマンドラインに戻り、コンテナ「c0002」をDockerイメージとして保存します。Quay.ioに作成したユーザーアカウント「masazumi_koga」のパブリックリポジトリ「testrepo01」にDockerイメージを保存します。

local # docker commit c0002 quay.io/masazumi_koga/testrepo01:c68websvr02
local # docker images
REPOSITORY                         TAG           IMAGE ID       ...  SIZE
quay.io/masazumi_koga/testrepo01   c68websvr02   71ee9441afac   ...  498 MB
quay.io/masazumi_koga/testrepo01   c68websvr01   7182c728b90d   ...  286 MB

 作成したDockerイメージをホステッドレジストリのQuay.ioにアップロードします。

local # docker login quay.io
Username: masazumi_koga
Password: xxxxxxxxxxxxx
Login Succeeded
local # docker push quay.io/masazumi_koga/testrepo01:c68websvr02

 Quay.ioの「testrepo01」リポジトリの管理画面で、Dockerイメージ「c68websvr02」を確認してみます。すると、セキュリティスキャンの結果、クリティカルレベルのものが存在しないことが分かります。

Dockerイメージ「c68websvr02」のセキュリティ脆弱性のスキャン結果 Dockerイメージ「c68websvr02」のセキュリティ脆弱性のスキャン結果

 画面中の「SECURITY SCAN」列の「1 High ・1 fixable」をクリックし、パッケージごとの脆弱性も確認しておきましょう。

パッケージごとのセキュリティ脆弱性の表示 パッケージごとのセキュリティ脆弱性の表示

 このように、ホステッドレジストリのQuay.ioは、Dockerイメージに含まれるパッケージごとのセキュリティに関する脆弱性をチェックできるため、Dockerイメージのセキュリティ対策を行う際の意思決定に有用な判断材料を提供してくれます。

古賀政純(こがまさずみ)

日本ヒューレット・パッカード オープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリスト。兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバのSEおよびスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師、SIを経験。2006年、米国ヒューレット・パッカードからLinux技術の伝道師として「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。プリセールスMVPを4度受賞。現在は日本ヒューレット・パッカードにて、Hadoop、Spark、Docker、Linux、FreeBSDなどのサーバ基盤のプリセールスSE、文書執筆を担当。日本ヒューレット・パッカードが認定するオープンソース・Linux テクノロジーエバンジェリストとして、メディアでの連載記事執筆、講演活動なども行っている。Red Hat Certified Virtualization Administrator, Novell Certified Linux Professional, Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack, Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoopなどの技術者認定資格を保有。著書に「Mesos実践ガイド」「OpenStack 実践ガイド」「Docker 実践ガイド」「CentOS 7実践ガイド」「Ubuntu Server実践入門」などがある。趣味はレーシングカートとビリヤード。古賀氏の最新記事が読めるブログはこちら


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