このように、スマートフォンで旅行中の全ての撮影をこなすことも一般的になりつつありますが、“分かってはいる”ものの、踏ん切りが付かない人もいるのではないでしょうか。
私もこれまでは、旅先のふとした瞬間に「デジタルカメラを持ってくればよかった!」と後悔しないように、常にデジタルカメラも一緒に持ち歩いていました。でも、今回の旅行で思い切ってiPhoneだけにしてみたところ、意外と困らないことが分かったのは大きな収穫でした。
ただ、人によっては、iPhoneだけだと「動画の保存容量が少ないのでは」と心配になるかもしれません。しかし、Appleは2017年秋に登場予定のiOS 11で、より高い圧縮率の動画コーデックに対応すると発表しています。そうなれば、細かいことを気にせず常にLive Photosをオンにできるでしょう。
特に猫や犬などのペットや赤ちゃん、小さな子供などを撮影するなら、撮影したときの臨場感がそのままよみがえるLive Photosを強くお勧めします。きっと、1週間後、1年後、10年後に振り返って「あのときLive Photosにしておいてよかった!」と思うはずです。
このように思い出を楽しく振り返ることができるLive Photosですが、いいことばかりではありません。実際に使ってみて感じた課題は2つあります。
1つはSNSでシェアしにくいこと。FacebookにはLive Photosをそのまま投稿できる機能がありますが、その他のアプリではまだ難しいのです。それでも、この「動く写真」の可能性は大きく、もしかしたらいつかITmediaの記事の写真も「何で動かないの?」といわれる時代が来るかもしれません。
そしてもう1つの課題は、写真データの重要性がより大きくなること。スマホで写真を撮りまくる場合、その端末自体を無くしてしまったら泣くに泣けません。そのため、スマートフォンの「バックアップ」をしっかり取っておくことが、今まで以上に重要になります。
iOSならば、「iCloudフォトライブラリ」をオンにすれば、自動で端末側の写真がクラウドにバックアップされます。今回の旅行でたくさん写真を撮ったため、クラウドストレージの容量もそれなりに必要になりましたが、思い出を守るためと思えば安いものかもしれません。
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.