トレンドマイクロが、法人向けに続き個人向けのセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター」シリーズの販売を開始した。
トレンドマイクロは9月7日、個人向けのセキュリティ対策ソフトウェア「ウイルスバスター」シリーズを発表した。ラインアップは従来通り、「ウイルスバスター クラウド」「ウイルスバスタークラウド + デジタルライフサポート プレミアム」「ウイルスバスター モバイル」で、オンラインでのダウンロード版は9月7日17時以降、店頭向けのパッケージ版は9月14日(ウイルスバスター モバイルのパッケージ版のみ10月5日)に発売する。
最新版の特徴は、一足先にリリースされた法人向けの「ウイルスバスター コーポレートエディション XG」で採用された、同社独自の「XGen」(エックスジェン)アプローチを導入することで、未知の脅威に対する防御力を高めたこと。また、AndroidやiOS搭載モバイル端末に対する脅威への機能拡充、PCやスマホ、ソフトウェアなどの「デジタルライフサポート プレミアム」の機能も強化した。
価格は従来製品と共通だ。直販サイト「トレンドマイクロ・オンラインショップ」でのダウンロード価格は、「ウイルスバスター クラウド 1年版」が5380円、「ウイルスバスタークラウド + デジタルライフサポート プレミアム 1年版」が7980円、「ウイルスバスター モバイル 1年版」が3065円(いずれも税込)で、それぞれに1年版、2年版、3年版(モバイルは2年版まで)が用意されている。
発表会でトレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏は、「ユーザー環境に潜むセキュリティ脅威は年々増え続けており、攻撃方法も多種多様になっている。そのため、より強力な防御アプローチが必要になる」とし、「人工知能(AI)といった先進の技術と、従来の技術はそれぞれ一長一短がある。この2つのテクノロジーを最適化した上で融合し、提供していくのが大事だ。そのバックボーンとなるのが、クラウド上のセキュリティ技術基盤『Trend Micro Smart Protection Network』(SPN)で、ここに集約されたビッグデータと連動することにより、高い防御力を実現している」とアピールする。
続いて、トレンドマイクロ プロダクトマーケティングマネージャ 木野剛志氏が新機能について説明した。「最新版で追加されたAI技術による機械学習型スキャンは、先だってリリースしたコーポレートエディションXGの機能を、初めてコンシューマー市場に投入したもの。特徴はパターンファイルを必要としないことで、亜種をその場で判定でき、検出精度も高い。重要度の高いデータから優先的に学習をして誤検出を防ぎ、さらに学習することで検出精度を高めるほか、進入経路も判定し最適なモデルを選定して検出する。SPNと連動して脅威の情報を正しく付与することで、機械学習に最適なデータを継続的に提供できるのが最大の強みだ」と述べる。
なお、機械学習型スキャンについては、Windows版のみで利用できる。
さらに、未知のランサムウェアに感染した場合でも重要なデータが暗号化されないようにするフォルダシールドも強化され、macOSもサポートしたほか、複数フォルダの保護、クラウドストレージや外部ストレージにバックアップしたデータの保護が可能になった。
また、サポート詐欺サイトに遷移しても、電話をかけないように警告画面を表示するサポート詐欺対策も加わった。
ランサムウェアの脅威はさまざまなプラットフォームに及んでおり、モバイルも例外ではない。同社が2017年1月から6月の上半期で集計したモバイルランサムウェアの新規種類数は、昨年同期比で約4.9倍も増えているという。
「最新版では、Android搭載端末が万が一モバイルランサムウェアに感染しても、管理ポータルサイトから端末をロック解除できるようになり、アプリの強制停止やパスワードのリセットに対応した。さらにiOS向けだがブラウザ内のアプリケーション利用時でも、詐欺サイトなどの不正サイトをブロックできるようになった」(木野氏)
PCやスマホだけでなく、プリンタやソフトウェアなどの操作や設定を24時間365日サポートしてくれるデジタルライフサポートでは、新たにスマートテレビのネット接続もサポート対象になった。独自のチャットツール「Airサポート」(PC版)の機能を強化したほか、LINEでの問い合わせにも対応したのがトピックだ。
同社では、今後1年間でウイルスバスターシリーズのユーザー数1800万を目指すとしている(ウイルスバスター for Home Networkを除く)。
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