著名人や大企業の租税回避に関するリーク資料「パラダイス文書」で新たな租税回避を指摘されたAppleが、公式に反論した。タックスヘイブンである英領チャネル諸島のジャージー島での子会社開設は税金逃れのためではないとしている。
米Appleは11月6日(現地時間)、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公開した「パラダイス文書」に基づくAppleの税金対策についての解説が不正確だとして反論する文書を公開した。
パラダイス文書とは、独新聞社Sueddeutsche Zeitungが入手し、英Guardianや日本のNHKや朝日新聞が参加するICIJが公開したタックスヘイブン(租税回避地)に関するリーク文書群。1300万件以上の文書は主に、オフショア投資を手掛ける顧客を多数擁する法律事務所Applebyのものとされている。
Appleの税金対策をめぐつては2016年8月、欧州連合(EU)がアイルランドによるAppleの優遇を違法だとして最高130億ユーロの追徴課税を命じた。Appleとアイルランドは控訴した。
解説文によると、AppleはEUの摘発を避けるため、海外所得のほとんどに当たる2500億ドル以上をアイルランドからやはりタックスヘイブンである英領チャネル諸島のジャージー島に移したという。
Appleはこの解説に対し、ジャージー島での子会社設立は税金回避のためではなく、米国への税金支払いが削減されないようにするためだと主張する。アイルランドでの運営と投資はジャージー島に移しておらず、海外での収益に対する税率は21%だとしている。
「Appleはすべての企業には税金を支払う責任があると確信している。Appleは世界最大の納税者として、世界中のすべての国で正当な税金を支払っている」という。
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