連載第2回は、超高速開発の特性を事例ベースで次のように整理しました。
「実行エンジン型」であるFastAPPを適用した案件の中で実際に起きた事例を通して、超高速開発に共通するケースを紹介しました。連載第1回で、超高速開発ツールは「スーツのセミオーダーのようなもの」と説明しましたが、今回は適用シーンの判断基準を事例を通じてより具体的に紹介したわけです。皆さんの会社でも適用できそうなケースがあるのではないでしょうか。「あそこで使えそうだ」「全部は無理だけど、管理系になら使えるんじゃないか」などと考えるきっかけになればうれしいです。
超高速開発ツールは、日々進化しています。以前できなかったことも、新機能で解決していたり、別のツールでは実現できていたりすることもあります。また、「実行エンジン型」と「ソースコード生成型」でも特徴が異なります(コラム「超高速開発ツールの種別」参照)。自社のユースケースに合うツールや事例がないか、知見を得るために「超高速開発コミュニティー」が毎月開催しているユーザー事例セミナーにご参加いただくことをお勧めします。
次回は超高速開発の最新事情と今後についてご紹介します。
超高速開発ツールは、「実行エンジン型」と「ソースコード生成型」の2つに大別されます。
実行エンジン型は、プログラミング言語でいうスクリプト(インタプリタ型言語)のように、作ったら即時実行できるのに対し、ソースコード生成型は、コンパイラ型言語のように、コンパイルし、実行環境にデプロイしてから実行するタイプです。
実行エンジン型 | ソースコード生成型 | |
---|---|---|
設計情報 | リポジトリに格納 | リポジトリに格納 |
実行環境 | 開発ツールと実行環境が一体 | 開発ツールと実行環境が異なる |
実行方法 | 実行環境がユーザーからの操作リクエストを受けて、設計情報をもとにエンジンが随時、動的に画面を生成して返す。 | 設計情報から生成したソースコードをコンパイルした結果のモジュールをサーバ上で実行する。 |
SCSK シニアプロフェッショナルITアーキテクト。
CSK入社後、情報システム部門で開発や運用を担当。IT企画部門を経て、現在は事業部門でFastAPPのプロダクトオーナー兼アーキテクトを務める。超高速開発コミュニティー幹事。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.