2018年のPC買い換え、今は待つべき?半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2018年01月30日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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企業PCのリプレース、ちょっと待って

 企業においてもリプレースは難しい問題でしょう。Windows 10に統一したり、Macも使える環境を作ったりと、以前に比べれば選択肢も増えています。

 しかし、2018年初頭、このリプレースに大きな問題が降りかかりました。「Meltdown」「Spectre」と呼ばれる、プロセッサに見つかった脆弱性です。この問題は今も波紋を拡げており、ファームウェアのアップデートで再起動が頻発するなど、ベンダーが対応に四苦八苦しています。

Photo Intelは、現在出回っているパッチの導入を中止するよう、メーカーやエンドユーザーに呼び掛けている

 インテルのCEO、ブライアン・クルザニッチ氏はこの問題について、「ハードウェア自体で脆弱性を解消した製品を2018年末にリリースする」とコメントしています。

We're working to incorporate silicon-based changed to future products that will directly address the Spectre and Meltdown threats in hardware. And those products will begin appearing later this year.

Intel (INTC) CEO Brian Krzanich on Q4 2017 Results - Earnings Call Transcript | Seeking Alpha

 この脆弱性は現在(2018年1月29日時点)、クラウド上のサーバなどでは気を付けるべきであるものの、エンドポイントのPCにはまだ、大きな影響はない状態です。しかし、今後は何が起こるか分かりませんから、社内でセンシティブな情報を扱っているならば、社用PCのリプレースをしばらく延期することも考えるべきかもしれません。

 ただ、そうなると、「今の遅いマシンを使い続けなければならないのか……」という、嘆きの声も挙がるでしょう。その場合は、最近のビジネスITトレンドにおける「ファイルはファイルサーバ/クラウドに保管する」「OSとアプリをイメージで一括展開する」「バックアップを確実に行う」といった仕組みを前提に「定期的にPCを初期化し、サクサクな状態に戻す」という手もあります。

 以前ならそんなことは、パワーユーザーしかできませんでした。しかし、Windows 10やOS Xなら、マニュアルさえ用意すれば初期化の作業は意外と簡単にできるはず。これはバックアップを戻すという意味で、「ランサムウェア対策の確認」にもなりますよ!

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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