通信インフラ企業であるAT&Tによるコンテンツ企業Time Warnerの買収を米連邦地裁が承認した翌日、CATV大手のComcastがコンテンツ企業の21st Century Foxに買収を提案した。
米CATV大手のComcastは6月13日(現地時間)、米エンターテインメントメディア大手の21st Century Fox(以下、Fox)に対し、資産を650億ドルで買収する提案をしたと発表した。
Foxに対しては米Walt Disney Company(以下、Disney)も買収を提案し、昨年12月に約524億ドルでの買収で合意している。
Comcastは現金による買収を提案しており、その価格はDisneyより約19%高いとしている。ComcastとDisneyがFoxを奪い合うことになる。
この発表の前日には、米通信大手のAT&Tによる米メディア大手Time Warnerの買収を米連邦地裁が承認し、通信インフラ企業によるコンテンツ企業買収を規制当局が認める前例になった。
Comcastはメディア事業としては2009年にNBC Universalを獲得している他、4月には英メディア企業Skyにも買収を提案している。
AT&TやComcastなどの通信インフラ企業は、米Googleや米Netflixなど、通信インフラを利用してコンテンツを提供する企業に対抗するため、自らコンテンツ企業を取り込もうとしている。
米国ではネット中立性に関する規則が6月11日に撤廃され、通信インフラが自社コンテンツを優先する可能性がある。
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