既に社内で200台超のChromebookを展開している私が面白いと思った展示が、このGrab n Goです。
「Chromebookをさっとつかんで仕事へGo!」という意味を持つGrab n Goは、Chromebookを個人用ではなく共用端末として貸し出す際の仕掛けとして非常に面白いものでした。利用申請や受け渡しに関わる人間の作業を排除することで、Chromebookを使いたい人が使いたいときに、自由に持ち出せるようにしているのです。教育用途で使われるケースが多いことを考えると、企業だけでなく学校でのニーズも高いのではないでしょうか。
展示ブースで入手したパンフレットによれば、次のような利用イメージになります。
Chromebookのメリットは、端末にデータを保存しないため、安心して他人と共用できること。「出張で使いたい」「会議の間だけ使いたい」というような“ちょっと使いたい”ニーズを満たしながら、一人1台配布して稼働率が下がるより経済合理性も高い。注目したいソリューションです。
展示ブースに出店していた「Pexip」も、なかなか面白いソリューションです。これを使えば、Googleのハングアウト、MicrosoftのSkype、昔から会議室にあるCisco Systemsなどのテレビ会議システムを全てつなげてビデオチャットができてしまうのです。ハングアウトとテレビ会議の接続ソリューションといえば「BlueJeans」がよく知られていますが、Pexipは今回の展示で初めて知りました。こういった古いテクノロジーと新しいテクノロジーの橋渡しをしてくれるソリューションの拡充によって、技術の世代間断絶が埋まり、全てがつながる世界が実現できるのはうれしい限りで、今後、私もテストする予定です。
AIというと何かと大上段に構えてしまいがちですが、今回、サンフランシスコから大阪に帰る時、Google Calendarが“人間とAIとのすてきな関係”を教えてくれました。
旅行会社からGmail宛てに旅程表が送られてきた時点で、AIが判断してCalendarにフライトスケジュールを自動で登録してくれるだけでも超便利なのですが、それだけではありません。今回、帰りのフライトが遅れて、航空会社からフライトスケジュールの変更通知がGmail宛てに届いたのですが、Calendarはもともとのスケジュールに取り消し線を引いて、新しいスケジュールを赤で表示。カレンダー内の予定を自動でアップデートしていたのです。
「AIが全てを行うようになると、人は働かなくてよくなる」というような“おとぎ話から始まる過度な期待”でAIを眺めるのではなく、こうした“タスクレベルでの作業の自動化をAIで地道に行うこと”が、今、企業の情報システム部門に求められる最初の一歩なのではないかと思います。
1989年松下電器産業(現パナソニック)入社。独英米に計12年間駐在。ファーストリテイリング業務情報システム部の部長を経て、2014年フジテックに入社。一貫して日本企業のグローバル化を支えるIT構築に従事。
このほど、「企業情報システムが今何をなすべきか、企業のデジタル化という不可避な流れをどのように既存の組織文化に取り込んで行くべきか」――というテーマのパネルディスカッションに登壇することになりました。Googleが主催する2018年9月18日開催の「INEVITABLE ja night」というイベントです。
ぜひ、情シスの皆さんにお越しいただいて、懇親会で大いに語り合いたいと思っています。この記事を読んでくださった情シスの皆さんから、本連載の感想をお聞きするのも楽しみにしております!
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