“Azure+AI+IoT”がクラウド成長に追い風 次なる勝負は“クラウド+エッジ”?Microsoft Focus(2/3 ページ)

» 2018年09月22日 08時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

“Azure+AI+IoT”で企業のイノベーションを後押し

 アルソフEVPは、この第4四半期のトピックスとして、Azureの採用で“クラウド、AI、IoT”を活用した顧客企業のイノベーションストーリーを紹介。

 米Microsoftは、米Walmartのクラウドブロバイダとして、小売業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する戦略的パートナーとなることを発表。5 年間にわたる契約期間を通して、Walmartは、同社のブランドファミリーを通じた標準化推進のため、クラウドとAI/IoT機能を提供するAzureと、「Microsoft 365」などのクラウドソリューションを全社で活用。も活用しつつ、顧客の利便性向上や、“従業員がベストを尽くして働ける環境”を実現するという。

 スープとスナックのメーカーである米Campbell Soup Companyは、Azureを採用し、グローバルなハイブリッドクラウドソリューションを活用して、ITのトランスフォーメーションを推進する計画だという。

 171年の歴史を持つビールメーカーの米Carlsbergも、Azureを導入し、AIとIoTを活用して、ビール醸造に科学的知見を適用し、製品開発の加速や品質向上を図るための「Beer Fingerprinting Project」を展開している。

 米Walt Disney World Resortは、AIなどのインテリジェント機能をIoTデバイスで利用できるようにする「Azure IoT Edge」を活用して、南米と北米を移動して雛を育てるムラサキツバメ用の“世界最小のスマートホーム”を開発。この“鳥用スマートホーム”を、米フロリダ州オーランドのDisney's Animal Kingdom内に巣箱を設置したところ、ムラサキツバメの繁殖についてこれまでにないレベルで知見を得ることができたという。

ALTALTALT 米Walt Disney World Resortが開発したひょうたん型のムラサキツバメ用“スマートホーム”(画像出典:米Microsoftリリース

 また、「Azure Sphere」の顧客事例を見ると、AzureのIoT向けクラウド機能「Azure IoT」が勢いを増していることが分かるとし、米Sub-Zero and Wolfの取り組みについて紹介。

 Azure Sphereは、セキュアなMCU(組み込みプロセッサ)、OS、クラウドサービスを統合したIoTソリューション。Sub-Zero and Wolfは、食洗機の新ブランドである「Cove」を展開するにあたり、IoTを活用してパーソナライズされた顧客体験を提供するため、製品化のあらゆるレベルで安全性管理を行うソリューションとして、Azure Sphereを活用する計画だという。

 その他にも、ヘルスケアの米Eli Lillyが約4万人の従業員にMicrosoft 365を採用し、新薬開発にグローバルな医師、研究者、ヘルスケア組織のコラボレイティブなアプローチを導入したこと、メルボルンに拠点を置く土木建設鉄道企業のJohn HollandがLTE対応の「Surface Pro」1200台を導入し、「Microsoft 365 E5」「Surface Hub」「Surface Book 2」と組み合わせて活用して高水準な顧客サービスを提供する体制を構築したことなどを紹介した。

 Dynamics 365についても、石油ガス産業向け大手プロバイダーである NOV(National Oilwell Varco)が、セールスとフィールドサービス向けに採用。ビジネスプロセスの合理化とともに、フィールドサービスにモバイルファーストアプローチを採用し、生産性の最適化やダウンタイムの最小化を実現できたという。

 アルソフEVPは、「Microsoftは、あらゆる業種でデジタルビジネスを拡大している。これらの企業は、顧客体験の変革や、従業員の創造性とコラボレーションの支援、業務革新、新製品の市場投入に向けて、Microsoftのソリューションを選択している」とした。

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