「何が何でもWindows」から「できればWindowsも」という姿勢に転じたともいえそうです。
この記事は大越章司氏のブログ「Mostly Harmless」より転載、編集しています。
最近、驚いたニュースの1つといえば、これでした。
セキュアCPU、OS、クラウドサービスを一体化したIoTソリューション、というのはもちろん大きなニュースですが、驚いたのは、OSが「Linux」ベースだということです。「Armチップ+Linux+クラウド」なんて、GoogleかAmazonがやりそうなことではないですか。普通に考えれば、OSは「Windows」でしょう。記事でもその点が強調されています。
Microsoftはかつて、IoTでもWindowsを推進していた。同社がカスタムLinuxカーネルを配布するのはこれが初
もっとも、ここ数年のMicrosoftしか知らない人は、それほど驚かないかもしれません。Microsoftが歴史的ともいえる大転換をしたのは、4年ほど前のことです。
「相性の良くないもの」の代名詞ともいえたLinuxとWindowsの歴史的な和解(Microsoftの一方的な“心変わり”ともいえます)でした。CEOが変わっていなければ、こうはならなかったでしょうね。何しろ前任のバルマー氏は「Linuxはガンだ」と言っていたのですから。
Linuxの採用には驚きましたが、ここ数年、MicrosoftはそれまでのようなOSを中心としたビジネスモデルからの脱却を目指して、着実に手を打っています。それが「Windows as a Service」です。
調べてみると、この話題でブログを書いている人がいました。
2年前にこの状況を見通していたのはすごいですね。
マイクロソフト自身がOS本体からの収益より、OSをポータルとした収益モデルに移行し始めたことを意味する。簡単にいえばOSなど100円でも0円でも実は構わない状態に向けて準備を始めたのだ
結局、選択肢が増え、技術もフラット化している現代において、「プロプライエタリな環境へのロックインはもはや機能しない」ということでしょう。
これはiPhoneが勢いを増してきた10年ほど前から起こっていたことで、Microsoftもいろいろと手を打ってきたわけですが、根本的に会社を変えるためにはCEOが交代するしかなかったわけです。バルマー氏の英断といえましょう。
Microsoftは、Windowsをメインとしながらも、幅広い技術をサポートするソリューションを提供し、そこから収益を得るモデルを確立しつつあります。その中で、「Windowsを選んでもらえれば幸せですが、Linuxも他のOSも、分け隔てなくサポートしますよ。なんなら、うちから提供しましょうか?」という姿勢に転じたのでしょう。
この状況で、いまだにプロプライエタリな環境を維持しようとしているように見えるのがOracleですが、大丈夫でしょうか……?
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