日本でもクラウドビジネスの成長は著しい。
日本マイクロソフトの個別の業績は明らかにされていないが、日本マイクロソフトの平野社長は、「日本では、グローバル以上の成長率を、全てのカテゴリーで達成している。2017年の時点で、日経225の8割の企業がMicrosoftのクラウドサービスを利用しており、2018年は92%にまで上昇している」という。
そして、「日本におけるビジネスは、全ての事業本部で、8四半期連続で予算を達成している。成長の要因は、企業変革の推進支援、働き方改革のリーディングカンパニーとしての取り組み、“クラウド+インテリジェントテクノロジー”による成長の3点に集約される」と語った。
日本では、特にWindowsやOfficeのライセンス販売からクラウドによるソリューション提案に移行した成果が出ていることを強調している。
また、米Microsoftの決算では、クラウドの成長以外にも、3つのポイントが見逃せない。
1つ目は、「Xbox」が高い成長率を見せており、初めて年間売上高で100億ドル(約1兆1200億円)を突破したことだ。売上高は前年比14%増の103億ドル(約1兆1600億円)となり、月間アクティブユーザー数は5700万人に達しているという。
さらに分野別にみると、ゲーミング分野では、年間で前年比38%増を達成。Xbox関連のソフトウェアとサービスは35%増を達成している。広告収入を含む「Xbox Live」や、クラウドによるゲーミングサービスなどの成長が貢献しているという。
日本では、Xboxのビジネスは、欧米ほど力を注いでいないが、Microsoftにとって、Xboxが重要なビジネスの柱となっていることが、今回の決算から分かる。
2つ目は、「LinkdIn」の売上高が前年比34%増となり、初めて年間50億ドル(約56億円)を突破したことだ。これも、日本では広がりが遅れているが、欧米では着実にビジネスを拡大していることが示された。
そして3つ目が、PCビジネスが成長しているという点だ。
WindowsのOEMは、前年比7%増という成長を遂げており、さらに、ビジネス向けのWindows ProのOEMは、第4四半期には前年比14%増と2桁成長を遂げている。また、Surfaceも、年間で前年比21%増という成長に達し、第4四半期だけでは前年同期比25%増という伸びをみせた。
これらは、企業向けPCの堅調ぶりに支えられているもので、ナデラCEOが語るインテリジェントエッジのビジネスが成長していることを示しているともいえる。
このように、米Microsoftの最新決算は、Microsoftがクラウドビジネスへと着実に軸足を移していること、SurfaceやWindows OEM、Xboxといったデバイスに関わるビジネスも成長していること、さらに、LinkdInによる新たなビジネスも着実に拡大していることを示す内容となった。
クラウドへの軸足を移すために厳しい業績が続いた時期もあったが、その時期はすでに脱している。成長路線を歩むための大切づくりができたもいえる。
Microsoft自らが、ビジネストランスフォーメーションに成功していることを証明した結果ともいえそうだ。
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