NTPサーバと時刻同期するセイコーの掛け時計「NTPクロック」発売 電源はPoE対応Publickey

NTPサーバから配信される時刻と同期し、オフィスや工場で掛け時計などとして使える「NTPクロック」をセイコーソリューションズが発売。イーサネット経由で多数の時計の時刻などを集中管理でき、時計をシステムとして運用できるようになる。

» 2019年02月23日 10時45分 公開
[新野淳一Publickey]

 この記事は、新野淳一氏のブログ「Publickey」の記事「NTPサーバと時刻同期するセイコーの掛け時計「NTPクロック」販売開始。電源はPoE対応」を許可を得た上で転載、編集しています。


 セイコーソリューションズは、NTPサーバ(正しい時刻情報を取得、配信しているサーバ)から配信される時刻と同期し、オフィスや工場で掛け時計などとして使える「NTPクロック」の発売を発表しました。

 NTPクロックは屋内用アナログ時計の「SCN-300J」、屋内用4桁デジタル時計の「SLN-1004W」、屋内用6桁デジタル時計の「SLN-1006W」の3機種。いずれもネットワーク経由でNTPサーバと接続することで、常に正確な時刻を表示できます。電源をPoE(Power over Ethernet)経由で得るため、PoE対応のLANさえあれば利用可能です。

photo セイコーソリューションズが発売した「NTPクロック」。アナログとデジタルの3種類をそろえた

 同社は時刻ソースとしてGPSやテレホンJJY、長波JJY、FM放送などを利用できるNTPサーバ「Time Server」を提供しており、NTPクロックはこれをNTPサーバとして利用できる他、パブリックなNTPサーバを含めた、あらゆるNTPサーバとNTPプロトコル経由で接続可能。

 Windows 10などに対応した設定ツール経由で、NTPクロックの接続先NTPサーバの設定や液晶表示の明暗、24時間表示か12時間表示かなどを設定できます。

 さらに、オプションの「NTPクロック監視ソフトウエア」を使うと、GUIを用いて最大1440台のNTPクロックを一元的に管理でき、時計の不具合などの把握が容易になります。同社がオフィスでも使えるNTP対応時計を販売するのは初めてとのこと。

設備時計をネットワーク対応に

 セイコーは以前から放送局、鉄道、工場や病院など、正確な時刻表示が求められる施設向けに「設備時計」と呼ばれる時計システムを販売しています。

 設備時計はマスタークロックとなる「親時計」と、設備内の多数の時計をRS-422などで接続し、施設内の時計が表示する時刻などを集中的に管理する仕組みを備えています。

 今回発売したNTPクロックは、この設備時計をイーサネット対応にしたものと位置付けられます。NTPサーバを親時計とし、イーサネット経由で多数の時計の時刻などを集中管理できるようにしたものです。

 これにより、時計システムのための専用設備や専用のネットワークを不要にし、イーサネットによる社内ネットワークで、時計をシステムとして運用管理できるようになります。

 正確な時刻を表示するための時計としては電波時計もあります。しかし、ビルの室内や地下など、電波時計の電波が届かないことも少なくありません。NTPクロックはそうした電波状況に影響されずに、全ての時計を正確な時刻に保つことができ、集中管理できることが利点といえます。

 この記事は、新野淳一氏のブログ「Publickey」の記事「NTPサーバと時刻同期するセイコーの掛け時計「NTPクロック」販売開始。電源はPoE対応」を許可を得た上で転載、編集しています。


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