それは、「基幹系システムの構築は多くの企業が実施済みで、もはや刷新需要しかない。ならば新しい分野であるDXやAIなどに人員をシフトしよう」ということから、「ITベンダーは今、デジタル変革(DX)などの新分野や、AI(人工知能)などの新技術へ対応するための人員を急激に増やしている」からだといいます。要点を簡単にまとめると、
ということです。なるほどこれでは基幹系エンジニアは減る一方でしょう(ただし、DXって基幹系も含む話なんじゃないかと思うのですが……)。
しかし、記事でも、「だが、どのようにDXが進んだとしても、企業から基幹系システムがなくなることはない」としており、結果として「今から5年後、DX推進のために基幹系システムを刷新したくても、刷新できないユーザー企業が増えそうだ」ということです。これは、ユーザー企業にとっては一大事です。
こうなると、ユーザー企業は自衛のためにも自社で基幹系エンジニアを育て、保持しなければなりません。人材を確保した上で、DXに取り組むという流れになるでしょう。
実はこの人材の移動を、2018年に「2025年の崖」を警告した経済産業省も後押ししています。崖を回避し、DXを実現する上でも人材の移動が重要になるというシナリオです。
この記事の図に、現在72:28とベンダーに偏っている人材の分布を、2025〜30年までに50:50に是正し、年収も今の2倍にするという目標が掲げられています。「2025年の崖」のレポートと同様、企業に注文を出す異例の内容ですが、
DXレポートで示した素案に関するユーザー企業やITベンダーとの意見交換を踏まえて案を作成。パブリックコメントには100件弱の意見が集まったという。
とあるように、業界の意見も反映しているようです。経産省の考えは、米国型の人材分布に移行し、ユーザー企業を活性化させることでDXを推進し、崖を回避するということなのでしょう。
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