日本マイクロソフトがオープンする謎の施設? 「X(クロス)インテリジェンス・センター」が生まれた背景工場や病院、店舗などの“現場”に特化(1/3 ページ)

日本マイクロソフトは2019年6月に、顧客企業向けの「X(クロス)インテリジェンス・センター」をオープンする。その内容について紹介した記者会見からは、現場のコミュニケーションが業務を大きく変える様子が見えてきた。

» 2019年04月23日 07時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 日本マイクロソフトは、工場や建設現場、病院、店舗といった現場で仕事に従事する「ファーストラインワーカー」に対する働き方改革の取り組みに関する記者会見を行い、その一つとして、2019年6月3日に、「X(クロス)インテリジェンス・センター」を開設すると発表した。

photo 「X(クロス)インテリジェンス・センター」について説明するスライド(出典:日本マイクロソフト)

 同センターは、日本マイクロソフトのクラウド&ソリューション本部の中に設置。データスペシャリスト、クラウドスペシャリスト、デバイススペシャリストといった専門家で構成される。

 日本マイクロソフトの執行役員常務 クラウド&ソリューション事業本部長兼働き方改革推進担当役員の手島主税氏は、「現場と本部の垣根を越えて、現場のアクションからインサイトを導き出し、そのインサイトを次のアクションに活用する『デジタルフィードバックループ』を実現することが、現場の生産性向上やイノベーションにつながる。Xインテリジェンス・センターは、マイクロソフトが持つテクノロジーやメソドロジーを活用することで、顧客におけるデジタルフィードバックループを実現し、さまざまな業界の課題を解決できる」とする。

photo 日本マイクロソフト 執行役員常務 クラウド&ソリューション事業本部長兼働き方改革推進担当役員の手島主税氏

 さらに同社では、ファーストラインワーカー向けソリューションを、大塚商会、チェンジ、TRIART、富士ゼロックス、富士ソフトの5社を通じて提供することも発表した。ここでは、「Microsoft 365 F1」「Surface Go」「HoloLens」などを活用。現場におけるデジタルトランスフォーメーションを支援するという。

 「ファーストラインワーカーが持つ共通の課題だけでなく、業種に特化したソリューションによって、それぞれの業界が持つ課題にも対応していくことになる。最前線の業務を知り尽くしたパートナーとともに、業務変革に向けたコンサルティングやデータの可視化、デジタル化した新たなプロセスの定着などに向けた提案が行える。新たなファーストラインワーカー向けソリューションとして提供し、さらに拡充を図っていく」(日本マイクロソフト・手島執行役員常務)

 一方、実際に同社のソリューションを使った現場の働き方改革事例として、小柳建設の小柳卓蔵社長と、医療法人鉄蕉会亀田メディカルセンターの中後 淳CIO(最高情報責任者)が、それぞれの本社からMicrosoft Teamsで会見に参加した。彼らは実際にITを使ってどんな“現場の改革”を成し遂げたのか。

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